カンジダとは

カンジダとは正式名称をカンジダ・アルビカンスと呼ぶ真菌の一種で、どんなヒトの身体にも存在するカビの仲間です。真菌とは、簡単に言えばカビのことです。

カンジダは口腔内から消化管、性器、肛門に存在しますが、大部分は腸内細菌叢を構成する菌の一部として棲息しています。

腸内細菌叢にはビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌(ぜんだまきん)、大腸菌やクロストリジウム属のウェルシュ菌、ブドウ球菌などの悪玉菌(あくだまきん)、そしてバクテロイデスや嫌気性連鎖球菌といった日和見菌(ひよりみ)の3種類があります。

・善玉菌:体にとって良い働きをする菌
・悪玉菌:体によって悪い働きをする菌
・日和見菌:普段は無害だが、増えすぎると有害になる菌
これら3つの菌の理想的なバランスは、善玉菌、悪玉菌、日和見菌が2:1:7の割合で存在している状態です。

善玉菌 悪玉菌 日和見菌
2割 1割 7割
・ビフィズス菌

・乳酸菌

・麹菌

・大腸菌

・ウェルシュ菌

・ブドウ球菌

・カンジダ・アルビカンス

・連鎖球菌

・バクテロイデス

・腸内環境を整える

・腸内を酸性にし、便通を良くする

・悪玉菌の影響を抑える

・腸内環境を悪化させる

・有害物質を作る

・腸内の腐敗を進める

・善玉菌の数が多い場合、
害は及ぼさない・悪玉菌が優勢になると
有害物質を作る

この中で、日和見菌は腸内に善玉菌が多ければ、善玉菌に味方をして何も悪さを行いませんが、反対に、腸内に悪玉菌が増えれば悪玉菌になびいて、様々な悪さを働くようになってしまいます。日和見菌の中で代表的なものが、冒頭で紹介したカンジダ・アルビカンスです。

普段はおとなしいカンジダですが、腸内細菌叢のバランスが崩れて悪玉菌が多くなると日和見菌であるカンジダが病原菌のように振る舞い始めます。そして、カンジダが増えすぎて「カンジダ症」を発症するとさまざまな病気を引き起こします。

カンジダ症は性行為からのみ感染する病気だと勘違いされていることがありますが、そうではありません。性交渉だけが原因でカンジダが増えるとは限らず、免疫力の低下や食生活の乱れ、ストレスによっても不必要に増殖し、悪さを行うようになります。

カンジダの形状(酵母と菌糸)

カンジダ菌は、丸い酵母の形状と細長い糸の形状で存在します。それぞれを酵母型(こうぼがた)と菌糸型(きんしがた)といいます。カンジダは酵母の状態から糸の状態になると毒性が強くなり、病気や症状を深刻化させることに繋がります。

酵母状のカンジダ 菌糸状のカンジダ

糸状に変化したカンジダ菌はいくつもの層を形成して腸の細胞に張り付いたり、細胞に貫通したりして体の機能を低下させます。

カンジダ感染による症状

カンジダの形態が変化すると増殖スピードは一気に加速し、その感染領域は口腔内から腸管、性器、肛門まで広がります。カンジダ膣炎を始めとして、性器や肛門の痒み、消化器系、呼吸器系に出現する場合や、皮膚や爪、口腔内に症状が広がることもあります。

他にも、カンジダは正常な代謝活動を邪魔するため、エネルギー不足になります。さらに症状が深刻になると、精神的な症状を呈することがあります。

カンジダは主に粘膜組織に寄生することが多いため、入口である口腔内から始まって、小腸、そして出口である肛門や性器付近で身体的な症状が出ることが多いです。

下記に体の部位別に発生するカンジダの症状の例をまとめます。

■性器
・口腔カンジダ症
・膣カンジダ症
・カンジダ性包皮炎(ペニスカンジダ症)
・性器や肛門の痒み
・おりものが多い(カッテージチーズ状)

■消化器系
・消化不良・腹部膨満感
・下痢
・便秘
・胃けいれん
・呑酸 (胃酸逆流)

■呼吸器系
・ぜん息
・花粉症
・副鼻腔炎
・喉の腫れ
・咳
・アレルギー

■皮膚・口腔内粘膜
・ニキビ
・爪がボロボロ
・肌あれ、ただれ
・虫歯
・舌の白い苔
・口腔カンジダ症

■エネルギー代謝
・うつ
・神経症
・パニック
・不安、不眠
・集中力の欠如
・記憶力の低下
・頭のモヤモヤ

■精神系
・疲労感
・極度の怠さ
・うつのような症状
・気分の落ち込み

■その他
・性欲の低下
・低体温
・甘い物への渇望 

目に見えるカンジダ感染の症状

カンジダによって分泌される毒素

カンジダが体内で死滅する際や他の栄養分を摂取した際の化学反応では、老廃物として「アセトアルデヒド」が分泌されます。

お酒などのアルコール類を摂取した際に、体内でこのアルコールが参加されるとアセトアルデヒドが作られます。アセトアルデヒドは「アセトアルデヒド分解酵素」によって分解されますが、このアセトアルデヒド脱水素酵素の働きが弱いと二日酔いが生じます。

また、アセトアルデヒド自体が体にとって有害な物質であるため、人によっては吐き気、頭痛、動悸などを生じる場合があります。

カンジダが増殖すればするほど、体内で合成されるアセトアルデヒドの量は増え続けます。そのため、カンジダが体内で必要以上に増えてしまうと、常に頭がぼーっとした状態になり、仕事や家事、勉強に集中できなかったり、記憶力が落ちてしまったりすることがあります。

要は、お酒を飲んでいないにも関わらず、カンジダによって代謝されるアセトアルデヒドが原因で、常に二日酔いに似た状態になっているのです。

また、カンジダ菌が異常に増殖している人がお酒を大量に飲むと、ただでさえカンジダの解毒に使われているアセトアルデヒド脱水素酵素がさらに不足することになります。すると、精神や認知機能に重大な症状が出ることがあります。

カンジダによって分泌されるもう一つの毒物に「グリオトキシン」というものがあります。グリオトキシンは白血球を殺してしまう働きがあり、免疫システムを抑制することが知られています。

このようなカンジダからの分泌物によって、花粉症がひどくなり、鼻水や痰(たん)が出て悩まされている患者がいることも臨床から報告されています。