日常生活を送る上でカンジダ菌が増えてしまう原因には様々なものがあります。自分では気を付けているつもりでも、ストレスが蓄積したり、糖質が多い食生活を送っていたりすると、カンジダ菌が過剰に増えてしまうことがあります。

  • 抗生剤を用いた治療
  • 薬剤の服用
  • 感染、炎症などによる免疫力の低下
  • 生活習慣食生活の乱れ
  • 腸内環境の悪化
  • 小麦粉(グルテン)の摂取
  • 乳製品(カゼイン)の摂取
  • 精製された砂糖や糖質の摂り過ぎ
  • 避妊薬ピルの使用
  • ストレス加齢老化
  • 歯科アマルガムに重金属の蓄積
  • 遺伝的要因

尚、ここに記載したことが、必ずしもカンジダ感染を引き起こすとは限りません。カンジダ感染を引き起こした原因を確かめたい場合は、下記のことを「参考」として上で、主治医に相談するようにしましょう。

ストレスとカンジダ菌

カンジダ除去に取り組む際、ストレスの存在はどうも軽視されがちな傾向にありますが、ストレスとカンジダが強い相関性を持つと示した証拠が示されています。重度の精神的ストレスに苛まれると、カンジダの酵母菌が膣に感染する確率が高まり、カンジダ増殖の原因となります。

私たちの生理学的体質を乱すストレスがいくつか存在します。深刻な影響は及ぼさないものの、カンジダの形態を変性させる2つの問題が潜んでいます。それは、高血糖と免疫機能の低下です。

これらはストレスホルモンであるコルチゾールによって引き起こされますが、どうしてコルチゾールによって高血糖と免疫系が弱まるのか、その理由と対処方法について述べて行きたいと思います。

ストレスとは短期間の肉体的ストレスと長期間の精神的ストレスに区分することができます。長期間に及ぶストレスは、血中コルチゾールを常に高い状態にさせるなど、生体の正常な化学反応を狂わせてしまい、カンジダに感染するリスクを高めてしまいます。

コルチゾールが原因で腹回りにぜい肉が付いて体重が増えてしまうことは、以前にどこかでお聞きになったことがあるかもしれませんが、カンジダに感染している患者にとっては、高血糖と免疫システムの低下という生理機能を崩壊させる2大問題が生じてしまうのです。

コルチゾールは血糖を上昇させる

コルチゾールの主な働きは血糖を上昇させることです。
血糖上昇は、ストレスホルモンであるコルチゾールによって引き起こされる「闘争・逃走反応」(fight-or-flight response)のひとつです。

この生物学的反応は、身体的危害を及ぼすような絶体絶命の極限状態や過度のストレス状況下において即座に筋肉を動かせるよう、緊急的にエネルギーを生産するために、私の体に備わっている仕組みです。

かつて人間が狩猟をしていた頃は、生命の危険を脅かす外敵から身を守るためにこうした防御作用が働いていました。しかし、現代では、コルチゾールは仕事のストレスによって誘発されることが大半で、しかも、その反応は長期間にわたる傾向にあります。

体がストレスに反応して血糖を上昇させるとき、肝臓でアミノ酸やグリセロールなどの代謝物質をグルコースへと変換させる「糖新生」(とうしんせい)が行われます。糖新生によって作られたグルコースは全身の血管を巡り、直接的に血糖値を上昇させます。

このとき、副腎(ふくじん)ではコルチゾールというストレスホルモンが作られます。コルチゾールは、肝臓や筋肉など身体の様々な細胞に糖を取り込ませることによって血中の血糖値を低下させるホルモンであるインスリンの合成を抑制します。
糖新生が行われてグルコースが作られると共に、インスリンが抑制されるので、体内の血糖値は上昇します。

1978年に実施された糖尿病に関する論文では、高血糖状態が口腔カンジダ症を引き起こすことが示唆されています。
Prevalence of pathogenic yeasts and humoral antibodies to candida in diabetic patients

加えて、高血糖状態というのは腸管内のカンジダにとっては寄生・増殖するのに最適な環境となります。

また、血中に余分なグルコースが漂うということは、胃や小腸からグルコースが取り込まれないまま残留することになるので、カンジダ・アルビカンスを成長させ、増殖に必要なエネルギーをカンジダ菌に与えてしまう事となるのです。

コルチゾールは免疫システムを低下させる

度重なるストレスがカンジダ症を引き起こす一因となっていることがお分かり頂けたと思います。では私たちは、実際にこうしたストレスにどのように対処すれば良いのでしょうか?

私も経験していますが、ストレスというのは電気のスイッチをオン/オフにするように、簡単に心を切り替えられるものではありませんよね。

ストレスは人々の心や取り巻く環境に左右される、精神的・肉体的負状態です。その中でも、仕事、人間関係、経済状況はストレスの3大要因とされ、短期間での改善は困難であることが多いです。

こうしたストレスは自分ではどうすることもできず、コントロール不能な場合が多いですが、それでも身体に負担を掛けるストレスを最小限に抑えるテクニックがあります。

一般的には、睡眠時間を十分に確保し、音楽や映画、読書をすることで、ゆったりとした心を保つように心がけます。近所を散歩して軽く体を動かしたり、定期的にジムに通ってエクササイズをしたりすることも有用です。

自分が没頭できるような趣味を持つことや人と会って会話をすることでストレスが解消できることもあります。

経口避妊薬(ピル)のカンジダ菌への影響

避妊用ピルとカンジダの発症に相関関係があることが確認されており、ピルに含まれるエストロゲンが膣内のグリコーゲン生産を刺激すると言われています。

グリコーゲンとはグルコースを一時的に貯蔵しておくための物質で、膣に寄生するカンジダのような酵母菌にとっては正に理想的な餌となり、瞬く間に増殖を開始させます。

2001年にオーストラリアで発表された研究によれば、ピル(エストロゲン)の使用とカンジダ・アルビカンスの感染には深い関わりがあることが示めされています。Oestrogen, glycogen and vaginal candidiasis

ピルの使用に加え抗生物質も併用されると、カンジダ増殖のスピードは更に勢いを増します。通常健康なヒトであれば、余分なグリコーゲンは膣内の「良性細菌」によって代謝され、乳酸へと変えられます。

この良性細菌が抗生物質によって破壊されると、そこに留まったグリコーゲン(及びそこに蓄積されたエネルギー)すべてがカンジダ・アルビカンスの増殖のために使われてしまいます。

カンジダ感染を招くその他の避妊具について

ピルだけが膣内の酵母菌を増大させる薬剤ではありません。子宮内避妊器具(IUD)もまたカンジダにとっての恰好の培養地となります。

2008年に避妊関連の学術誌に掲載された研究によれば、子宮内避妊器具に粘着したカンジダ・アルビカンスはバイオフィルムを形成することで、外陰部膣カンジダ症(VVC)を誘発することが示唆されています。
Can intrauterine contraceptive devices be a Candida albicans reservoir?

避妊具がプラスティック製あれ銅製であれ、カンジダ菌は子宮内避妊器具のあらゆる面に癒着し、酵母菌感染を再発させると研究者たちは捉えているようです。

ペッサリーも酵母菌感染のリスク要因となる避妊具の1つです。ペッサリーについてご存知無い方のために説明しますが、ペッサリーはゴム製のリングで、医師よって子宮頸部に装着して貰うものです。

避妊という機能は担保されていますが、子宮内避妊器具同様にデメリットがあるのも事実です。長期間子宮内にペッサリーが設置されたままになりますので、これもまたカンジダが増殖する培養地となり、度重なる感染を引き起こす可能性があります。

ピルに取って代わる方法は?

経口避妊薬にしろ、子宮内避妊器具にしろ、カンジダ増殖のリスクを完全に避けることは難しいかもしれません。

予定外の妊娠を避けながらカンジダ感染を防ぐ方法は、身体的な防御策を行うことです。
具体的には、下記の方法があります。

  • 男性用コンドーム
  • 女性用コンドーム(膣内に装着するもの)
  • 避妊ゼリー(避妊ゼリーは90%以上の避妊率があるとされています。)

上記に記した避妊方法は、生体のホルモンバランスを変えることもなく、膣内に半永久的に何かを残しておくこともないので安全で効果的です。

現状ピルや子宮内避妊器具、ペッサリーを使っているのであれば、カンジダ感染のリスクを踏まえ、他の避妊方法を再検討してみましょう。勿論、然るべき医療機関に相談するのもお忘れなく。

カンジダと抗生物質の関係

治療で抗生物質を長期間使っていると、腸内環境が悪化してカンジダ菌が増えることがあります。

抗生物質には病気を引き起こす微生物を阻害したり、死滅させたりする働きがあります。そのため、手術後の感染症の予防をはじめとして、肺炎、中耳炎、帝王切開、風邪、アトピー・ニキビ治療、歯の治療まで幅広く用いられます。

多くの病気に有効性が認められている抗生物質ですが、切れ味が鋭い反面、大きな弱点があります。抗生物質は悪い菌を殺すだけではなく、良い働きをする菌まで無差別に殺してしまいます。

そのため抗生物質が含まれた薬を長く使っていると、腸内細菌が減って、腸内フローラのバランスが崩れる場合があります。人によっては腸内の善玉菌が減り、悪玉菌が増えてしまいます。

抗生物質を使用する際には、医師とよく相談をしてメリットとデメリットを認識しておくことが大切です。

もし、過去6か月の間に抗生物質を使用していれば、体内でカンジダが増殖している可能性は十分あります。自分が抗生物質を利用したことがあるか、過去の病気の記録を辿ってみて下さい。

過去に病気を治療した際に、どんな薬をどのくらい使ったのかを把握しておくことは、医師の診察を受ける場合や栄養療法を実践していく上でも役立ちます。

主治医から抗生物質が必要だと言われたら?

抗生物質は過剰処方されているという歴史的傾向があり、長期にわたって使用し続けていると徐々にその効果は薄れていってしまうことがあります。比較的軽度の症状と思われるのに、医師がやたらと抗生物質を出したがっている場合にはセカンドオピニオンを求めるのも1つの方法です。

健全な腸内環境を失ってしまうことの影響は非常に深刻であり、将来にわたり大きな健康被害をもたらす場合すらあります。ですから、患者自身も医師が実践しようとしている治療内容が最適なものなのか、良く考え、話し合い、互い納得した上で進めていく必要があります。

抗生物質の使用に頼らなくとも、仕事を休んで十分な休息を取ることでも大きな改善が期待できることもあります。安易に抗生物質に手を出す前に、他の代替案が検討できるか調べてみましょう。

さて、ここまでテキストを読んで、抗生物質について否定的な見解ばかり示しているように感じたかもしれませんが、決してそういう意図はありません。抗生物質はここぞという時にはとても役立つ物質です。大がかりな手術の後や重篤な細菌感染の時には、抗生物質はあなたの命を救ってくれます。

しかし、抗生物質はそうした感染源を殺傷するだけではなく、生体にとって重要な免疫システムをも同時に破壊してしまうことは忘れないでおいて下さい。

私たちの持つ腸内細菌叢の殆どは生まれた時に母親から受け継いだものですが、生まれてからの後天的な生活環境や食生活でも変化します。赤ちゃんが成長して大人になるまで、健康な人であれば約500種の腸内細菌を保持し、その数は100兆個にも及ぶとされています。

抗生物質を多用した際に懸念されるのは、失われた腸内細菌叢が回復するまでに数年要することです。一度抗生物質を使用してしまうと、以前あった腸内細菌の多様性を取り戻すことができない場合すらあるのです。

一般的に処方される抗生物質

ここ数ヵ月の間に、自分が抗生物質を使用したかどうかが分からない場合は、下記を参考にして下さい。このリストは、一般的に抗生物質が処方される病気の一覧です。

病気や感染症の予防手段として抗生物質が使用されることも少なくないため、知らず知らずのうちに抗生剤を使っているケースがあります。

帝王切開による出産がその一例です。赤ちゃんを授かった喜びに浸っているため、術前に抗生剤を投与されていたことが母親の記憶から消失してしまうのです。

あくまでも参考例であり、これが全てではありませんのでご注意下さい。

  • 感染症(風邪、花粉症、肺炎、アレルギーなど)
  • ニキビ、アトピー治療
  • 病院での手術全般
  • 歯科治療全般
  • 臓器移植
  • 帝王切開

抗生物質をどうしても使用せざるを得ない場合

抗生物質に関するマイナスの側面ばかりを強調しているように感じるかもしれませんが、人によっては、治療の過程でどうしても抗生物質を使用せざるを得ないもあります。

抗生物質は、現代医療を語る上ではなくてはならないものですし、抗生物質があるお陰で重い病気を治療し、体調不良から回復することができたひとも沢山います。

このテキストを読んでいるあなたにお願いしたいのは、自分の勝手な判断で、抗生物質の利用を中断してはいけないということです。
抗生物質の使用をやめることを検討している場合には、必ず医師に相談した上で実行しましょう。

もし、抗生物質を使わなければいけない場合、腸内細菌への影響を最小限に留める方法がいくつかあります。自分の腸に合った、良質なプロバイオティクスやケフィアなどの発酵飲料を日常的に摂取することで、腸内フローラへのダメージを軽減することが期待できます。

抗生物質があまねく腸内細菌を皆殺しにしてしまうのと同じスピードで、「善玉菌」を腸に投入するのです。こうすることで、すべての腸内細菌が抗生物質によって抹殺されるリスクを抑えることができるようになります。

また、このとき、プロバイオティクスの摂取が抗生物質の効き目を阻害することはありません。抗生物質の使用によって失われてしまった善玉菌の代わりに、プロバイオティクスの新たな善玉菌が取って代わるだけとされています。

このことは過去に実施された研究でも実証済みで、2012年に実施されたプロバイオティクスと抗生物質に関するメタ解析によると、抗生物質の使用に伴う下痢症状はプロバイオティクスによって予防できるとされています。
Probiotics for the Prevention and Treatment of Antibiotic-Associated Diarrhea

当該解析では「プロバイオティクスは抗菌薬関連下痢症(AAD)の予防に寄与すると共に、プロバイオティクスには抗生物質を用いる場合の腸管生態系の維持、回復を助ける能力が備わっている」と結論づけています。

プロバイオティスクの効果を最大限引き出すために、抗生物質の使用を始める前に、プロバイオティスクサプリの服用を開始されるのが良いでしょう。

こうすることで、腸内フローラを最高のコンディションまで持って行くことができ、早い段階からプロバイオティクスの効果を実感することができます。

最後に改めて言及しますが、抗生物質の使用やそれに対する腸内環境の維持、プロバイオティクスやプレバイオティクスなどの善玉菌系のサプリを摂取する際には、あなたの主治医とも情報共有し、医師の指示・管理のもとで行って下さい。

食肉に含まれる抗生物質

抗生物質への接触は薬によるものだけではありません。他の要因として、家畜に使われる抗生物質があります。

豚や牛、鶏、羊といった家畜の成長を促進させ、より安価な肉を短期間で市場に出回らせて、多額の利益を生み出すために、畜産や酪農家の中には抗生物質が含まれる「成長促進剤」を使用している場合があります。

抗生物質は家畜の成長速度を加速させて太らせるということ、そして、病原菌に感染しないようにすることを目的として投与されます。

抗生物質を投与された家畜は、食品として加工された後に人間によって摂取され、私たちの体内へと入り込んでいきます。世界的に急増する食肉需要の動きもあり、豚肉、牛肉、鶏肉に含まれる抗菌薬が大幅に増加していることを指摘する文献があります。

2015年の2月には、世界的な専門機関誌である「アメリカ科学アカデミー紀要」が、家畜に対する抗菌剤の使用が爆発的に増え、抗生物質に耐性のある菌が出現していることに警鐘を鳴らす文献を発表しています。
Global trends in antimicrobial use in food animals

抗生物質を使用する目的は、短期間で家畜をでっぷりと太らせることだけではありません。前述したように、家畜が病気になることを防ぐことを目的として投与されることがあります。

家畜がどのような環境で飼育されているのか、普段スーパーで牛肉や豚肉を買う時にはあまり意識しないものですが、不衛生な環境下で過密状態の中で飼育されていることがあるかもしれません。

主治医の方針によっては、精肉を選ぶ際には、出来るだけオーガニックのもので、牧草で自由に放し飼いされているものをチョイスすることが推奨されることがあります。

入手するのは簡単ではなく、値段ははりますが、本気でカンジダ除去をされる場合には、こうした高品質の肉類や乳製品を摂ることを希望する人がいるかもしれません。

将来的に、輸入肉に対する規制が撤廃されると、外国産の食肉や加工肉類は、消費者にとってますます身近なものになっていくことが予想されます。レストランやコンビニエンスストア、デパ地下の惣菜売り場など、外食産業でも提供される機会は増えていくかもしれません。

消費者を輸入肉の購買へと誘導するようなマーケティングも展開されるでしょう。そこで、賢い消費者になるためには「抗生剤が使用されていないか、牧草地で育てられているか」といった正確な情報を収集し、トレーサビリティを把握する能力が求められる時代になるでしょう。

日本国内の家畜の飼育環境は、地域や牧場によって異なりますが、米国産の安い輸入肉には抗生物質が使われている可能性が高いです。

あなたの治療方針や食事に対するスタンスにもよりますが、カンジダ除去に取り組もうとする場合、食べるなら有機農業の肉類や乳製品を摂るのがよいかもしれません。

その一方で、ストイックなカンジダ除去をする場合は、実質的に肉類と乳背品は全面的に控えることが推奨されことがあります。各自の体質や体調を考慮しながら、肉や乳背品を選んで下さい。

水道水に含まれる塩素とカンジダ菌

水道水には病原性微生物を殺菌・消毒するための塩素が含まれており、この塩素はスイミングプールの消毒に用いられるものと同じ程度の副作用も併せ持っています。

水道水から病原菌を排除することは公衆衛生の観点から致し方のないことです。しかし、残留塩素が私たちの免疫システムを弱体化させると同時に、皮肉にも他の病原菌やウィルスに対する感受性を高めてしまっていることも事実です。

殺菌・消毒剤である塩素は微生物を死滅させるように設計された薬品です。それが私たちの腸管に入れると、あまねく腸内細菌のコロニーを無差別に襲撃してしまいます。

腸内フローラを構成する細菌の全体量が少なくなれば、カンジダ・アルビカンスのような日和見菌の成長を許し、カンジダ帝国が華麗なる繁栄を遂げることに繋がってしまいます。

塩素は結腸がんとも関係していることが知られています。1992年にはノルウェーで塩素混合水道水とがんインシデントに関するレポートが発行されています。当該レポートの帰結は決定的なものではありませんが、塩素が含まれた水道水は結直腸がんの発症率を20~40%上昇させるとしています。
Chlorination of drinking water and cancer incidence in Norway

1997年にアイオワ州で実施された研究でも同様の結論に至っています。
The association of drinking water source and chlorination by-products with cancer incidence among postmenopausal women in Iowa: a prospective cohort study

水道水から塩素を除去する方法は

塩素が含まれている水道水から、塩素を体内に採り入れないようにする方法があります。キッチンの蛇口に取り付けるフィルターは、塩素を濾過するのに優れた性能を発揮しますし、今はお店や通販サイトなどで様々な種類のものを選ぶことが可能です。

アマゾンや楽天などで「蛇口直結型浄水器」と検索してみて下さい。

シャワーヘッドにフィルターを設置する方法もあります。シャワーヘッドから出したお湯で、お風呂のお湯を張ると、バスタブが塩素に晒される危険性を防ぐことができます。フィルターを購入する場合は、炭素素材(炭素繊維・活性炭)のフィルターが最も塩素を濾過してくれるのでこれを買われると良いでしょう。

浄水シャワー」で検索すると、関連製品を探すことができます。

さて、キッチンとバスルームに取り付けたフィルターで塩素をある程度除去できたとしても、塩素の侵入源すべてを排除したことにはなりません。衣類を洗濯する際や食器を洗う際に使う水道水にも残留塩素が含まれているので、皮膚を通じて体内吸収される恐れもあります。

もし、100%完全に残留塩素を除去し、生活用水への混入を避けたい場合は、自宅全体の生活水を綺麗にする濾過装置を据え付けるしかありません。こうすれば生活用水から残留塩素を取り込むことはなくなりますし、キッチンやバスルームに個別の濾過装置を設置する必要もなくなります。

自宅全体をカバーする濾過装置を購入する場合も、性能の良い炭素フィルターを使っているか必ず確認するようにして下さい。

塩素系漂白剤などの洗濯洗剤

塩素系漂白剤などの洗濯洗剤を使っていると、気付かないうちに塩素を体内に取り入れてしまうことになります。成分表に塩素系漂白剤が使用されていないかどうか、確かめてから買うようにして下さい。

最近では、漂白剤を使わなくとも綺麗に洗濯できる優秀な洗剤がいくつも販売されていますので、漂白剤を含んでいないブランドのものを買ってみて下さい。

ご自身の健康を守るだけでなく、小さいお子さんやペットなど、塩素系漂白剤で洗濯した衣類に日常的に触れる人たちを守ることができます。

pH(ピーエッチ/ペーハー)とカンジダ

前述したように、本来、身体に無害であったはずの日和見菌であるカンジダが増殖すると、カンジダはその姿・形を変えて場合によっては大変深刻な健康被害を生じさせることがあります。

こうしたカンジダ菌の増殖や形態の変化に関わっているのが、私たちの体内の酸アルカリの度合を示すpHです。pHとは水素イオン指数のことで、物質の酸性、アルカリ性の度合いを示すものです。物質を水に溶かした(水溶液)の性質とも言われます。

目盛の変域は0.0 (強酸)から14.0 (強アルカリ)まであり、中性はpH7.0です。したがって、pH7.0以下であれば酸性、pH7.0以上であればアルカリ性になります。

身近なところで例を挙げると、自然界にある純水やレモン水は酸性、ベーキングソーダ(重曹)はアルカリ性です。正常なヒトの血液は弱アルカリ性のpH7.4です。胃や小腸は強い酸性で保たれています。

食品のpH(水素イオン指数)

カンジダが増えやすい環境

カンジダが増殖するのに適しているのは、35度前後のアルカリ性の環境だと言われています。したがって、通常の体温で体がアルカリ性になるとカンジダが増える確率は一層高まります。

ヒトの消化管はpH5.0から6.7の酸性または弱酸性ですが、食生活や生活習慣などが原因でアルカリ性に傾くと、カンジダが寄生するだけではなく、カンジダ菌は酵母から菌糸状になり、さらに毒性の強い病原体に変身します。

カビであるカンジダは、本来白くて丸い形状をした酵母菌です。しかし、体がアルカリ性に傾くとカンジダの酵母菌からシッポのようなものが出てきて菌糸状になったり、色が白濁してきたり、厚膜(あつまく)を形成し始めます。

カンジダが増殖するのに適しているのは、35度前後のアルカリ性の環境だと言われています。したがって、通常の体温で体がアルカリ性になるとカンジダが増える確率は一層高まります。

ヒトの消化管はpH5.0から6.7の酸性または弱酸性ですが、食生活や生活習慣などが原因でアルカリ性に傾くと、カンジダが寄生するだけではなく、カンジダ菌は酵母から菌糸状になり、さらに毒性の強い病原体に変身します。

カビであるカンジダは、本来白くて丸い形状をした酵母菌です。しかし、体がアルカリ性に傾くとカンジダの酵母菌からシッポのようなものが出てきて菌糸状になったり、色が白濁してきたり、厚膜(あつまく)を形成し始めます。

腸管が過度のアルカリ性になってしまう原因

腸管が過度のアルカリ性に傾いてしまう原因をいくつか紹介します。こうした原因を理解しておくことは、カンジダ除去実践する上でとても大切です。

ただし、ここに示した原因はあくまでも可能性にしか過ぎません。個人の体質や遺伝によって反応は異なります。
必ずしも全員が下記に示した食品や薬などによってカンジダが増殖し、病気になるとは限りませんので、あくまでも参考として読んで下さい。

1. 果物ダイエット
果物を沢山摂取する食事療法は健康にとって有益とされていますが、過剰に摂取し過ぎると、絶妙なバランスで維持されている消化管を無秩序な状態に陥れる危険性があります。

ほとんどの果物がアルカリ性と言われています。レモンやオレンジといった柑橘系の果物は一見すると酸性食品だと思われがちですが、体内でのアルカリ性物質の生産を促進させることから、アルカリ性の食品であると認識されています。アルカリ性食品の食べ過ぎは、カンジダ寄生の原因となります。

また、果物に含まれる糖分も負の要素をはらんでいることは、皆さん既にお気づきのことでしょう。特に、日本で品種改良された果物は糖度が高く、酸味よりも甘味の方が強いものが多いです。糖分は酵母であれ真菌であれ、カンジダの増殖を助長します。

2. 抗生物質

人類が初めて抗生物質を見いだしたのは、1929年にアレキサンダー・フレミングが、アオカビから分泌される「カビ汁」の殺菌作用を偶然に発見したときです。

アレキサンダー・フレミング
画像の説明

14世紀に中国からヨーロッパに広がり、世界中で推定7500万人が死亡したという黒死病(ペスト)を初め、19世紀に流行したコレラ、ハンセン氏病、天然痘、結核、敗血症など大災害を及ぼした病気は全て『細菌感染』による『感染症』でした。抗生物質の発見はこの感染症を克服する大発見だったのです。

地球環境を考える」より引用

1940年代に入ると、世界最大級を誇る製薬会社であるファイザーがペニシリンの量産を一手に引き受け、第二次世界大戦で無数の命を救うことに貢献することとなります。

ファイザー社の歴史 1900年~1950年より引用

抗生物質は、現在でも多くの人命を救っていることは紛れもない事実ですが、抗生物質は腸管に生息するあらゆる「善玉菌」を皆殺しにしてしまいます。 それらの善玉菌の中には、好酸性乳酸桿菌や乳酸、酢酸を作り出す少量の微生物も含まれます。

抗生剤の使用によって善玉菌まで一掃されてしまうと、善玉菌が死んでしまうと体内で「酸性物質」が作られなくなり、消化管内のpHは上昇してアルカリ性に近づいていきます。

腸内の善玉菌が減って悪玉菌が増えると、日和見菌であるカンジダ菌は悪玉菌になびいて悪さを働くようになります。まだ、善玉菌がいなくなったことで、腸管に悪玉菌とカンジダ菌が増殖するスペースを与えてしまいます。

さらに、糖質過剰な食生活をしていると、カンジダ菌の増殖スピードは加速し、酵母菌から菌糸状へと変化していって、よりカンジダ菌の毒性が強まる可能性が高まります。

したがって、比較的軽度の感染症や風邪のために、やみくもに抗生剤を使うのは避けるべきかもしれません。あなたの病気を治療するために、主治医が然るべき理由をもって使用する以外は、抗生物質の利用は慎重になって下さい。

どうしても抗生物質を使かわなければならないという場合は、一緒にプロバイオティクスのサプリメントを摂取するようにしましょう。プロバイオティクスにより腸管細菌叢のバランスが崩れるのを防ぐことが期待できます。

乳酸菌やプレバイオティクス・プロバイオティクスを摂取することによって、抗生剤そのものの効き目が阻害されたり、弱められたりしてしまうことは今のところ報告されていないようです。

2006年に発表された文献では、抗生剤の使用で腸内細菌が減少したことによる下痢に対し、プレバイオティクスを投与した結果、下痢症状が緩和されたという報告がされています。

Meta-Analysis of Probiotics for the Prevention of Antibiotic Associated Diarrhea and the Treatment of Clostridium difficile Disease Lynne V McFarland PhD1

また、抗生剤を使用した後に、乳酸菌やプロバイオティクスを摂取する際には、最低でも抗生剤の投与から2,3時間あけてから摂取するのが効果的だとされています。

しかし、個人差がありますので、抗生物質と一緒にプロバイオティクスのサプリメントを使用する場合は、必ず主治医に確認しましょう。

3. 制酸剤(胃酸抑制剤)
処方薬やOTC薬は腸内のpHに大きな影響を及ぼします。単独の服用ではpHにそれほど変化を与えない薬剤もありますが、薬と一緒に砂糖を大量に摂取する食生活をしている場合、相乗的にpHを下げてしまう原因になることがあります。

制酸剤はその名のとおり胃酸を中和するもので、吞酸(どんさん)や 胸焼けの症状を軽減させる薬効があります。しかし、頻繁に使用すると長期間にわたって消化管pHを狂わせることがあります。

他にも、ネキシウムを始めとしたプロトンポンプ阻害薬(PPI)が処方薬として出回っています。一般的な制酸剤は胃酸を中和せさせる作用を持ちますが、プロトンポンプ阻害薬は胃酸分泌自体を抑制します。

4. 加齢
残念ながら、私たち人間は加齢に対してはどうすることもできません。年齢を重ねるごとに体内では十分な酸を作り出せなくなるため、消化管内pHは必然的に上昇していく運命にあります。

ある研究で、被験者を11歳から20歳までのグループと61歳から70歳までのグループに分けて胃酸の分泌状況を調査したところ、高齢者のグループでは、胃酸分泌量が180mg/hrから50mg/hrへと70%減少していたことが確認されました。

胃酸を分泌する能力が衰えることから、年を取るにつれてカンジダが酵母から真菌へと変身するのを阻止するだけの生体の防御力も弱まってしまうのです。こうした理由を鑑みると、高齢者の間で口腔カンジダ症が多いのも納得がいきます。

肉と乳製品の摂取とアンモニア

抗生物質の問題だけではなく、肉類は胃と小腸で消化される際に、大量のアンモニアを放出します。アンモニアは体内pHを上げ、腸管を酸性からアルカリ性へと移行させるため、カンジダを病原性のものへと変身させてしまう恐れがあります。

また、乳製品にはラクトースと呼ばれる二糖類が含まれ、カンジダの寄生を助長させてしまいます。(但し、手作りのケフィアやプロバイオティクスヨーグルトなどは、あなたの体質にマッチすれば摂取して問題がない場合もあるようです。)

カンジダ菌をこれ以上増やさないために、カンジダ除去プログラムの実践中は、極力肉類や乳製品を避けることが最善と言えるでしょう。詳しくは主治医やカウンセラーにご相談下さい。

カンジダはなぜ砂糖を好むのか

カンジダルビカンスのような酵母菌は、エネルギー源として有機・炭素化合物を必要とします。そうした炭素系化合物の代表的なものが「砂糖」なのです。

カンジダ酵母が細胞の壁を形成し、毒性の強い菌へと姿を変える際に、こうした炭素化合物(砂糖)が使われます。実際にカンジダの細胞壁の80%は炭水化物で成り立っているとも言われます。

2011年に発表された文献によれば、カンジダ菌の増殖や細胞活動に炭水化物の代謝は不可欠だということが示されています。
The metabolic basis of Candida albicans morphogenesis and quorum sensing

カンジダ母菌は砂糖をグルコース(ブドウ糖)やフルクトースの形で取り入れます。
カンジダ細胞はグルコースを代謝する酵素を持ち合わせており、解糖系(かいとうけい)によってエネルギーを作り出す機能を持っています。

解糖系とは、食事から摂取した糖質を分解してグルコース(ブドウ糖)に分解し、そこからピルビン酸や乳酸などの物質に代謝することで、エネルギーを合成する仕組みをいいます。

カンジダが代謝を行う過程でセルロースやフルクトースは、一旦グルコースに単純分解する必要があります。しかし、グルコースは何の苦労も伴わずに即座にエネルギーへと変換できる物質なので、カンジダにとっては大変好都合です。

そのため、精製された砂糖などは、カンジダにとっての最適な栄養源になります。

そこで、分子整合栄養医学におけるカンジダ除去では、カンジダのエネルギー源となるグルコースを断ち切ることが指導されます。砂糖をやめることで、カンジダが増殖して毒性菌へと変わるのを防ぎます。

カンジダ除去食で糖尿病の軽減を期待できる

カンジダ対策の食事療法は、極力砂糖や炭水化物を摂取しないようにすることです。こうした食事療法を実践することで、初期のカンジダ感染はもとより、既に寄生しているカンジダ細胞の増殖を抑えることも期待できます。

また、カンジダ除去のための食事療法は糖尿病を予防するにも効果的であり、既に糖尿病リスクのある方にとっても有効だとするドクターも多いようです。ジャンクフードや砂糖が沢山入った清涼飲料水をやめたとたんに、殆どの人の体重が減りはじめます。そして、血糖値も安定化してきます。

もし、このテキストを読んでいるあなたが糖尿病患者やその予備軍であった場合は、カンジダを除去するための食事療法を自己流で取り入れる前に、主治医とよく話し合うようにして下さい。

砂糖の排除と食物繊維の積極的な摂取は、糖尿病とカンジダ症の両方を緩和できるかもしれません。しかし、糖尿病の治療のために普段から薬を服用している場合は、必ず医師の指示・管理のもとでカンジダ除去を行うようにして下さい。

カンジダ除去で用いるサプリメント

カンジダを除去するプロトコルは色々ありますが、ここでは標準的に用いられる一般的なサプリや食品をご紹介します。

カプリル酸、オレガノ、にんにく、ビーツなどは解毒促進として、プロバイオティクスやプレバイオティクスは悪玉菌がはびこった腸内環境を善玉菌で満たしながら、治していくために使われます。乳酸菌やビフィズス菌なども一緒に用いられます。

カンジダ除去においては、乳酸菌やビフィズス菌などのサプリメントやプロバイオティクス、プレバイオティクスのサプリメントを使用することが必須になります。腸内環境を善玉菌で満たすことで、悪玉菌やカンジダ菌を増やさないようにさせるためです。

健全な腸内環境を保つことでカンジダに対抗できるとした論文が1985年に発表され、善玉菌が豊富にあることで、カンジダが他の臓器に拡散するのを防いでいると示されています。当該文献には「腸管に生息する腸内細菌叢が消化管にはびこるカンジダを抑制し、腸管腔から内臓への拡散を食い止める。」と記されています。
Ecology of Candida albicans gut colonization: inhibition of Candida adhesion, colonization, and dissemination from the gastrointestinal tract by bacterial antagonism

また、液体ソルトやミネラル、マグネシウムは代謝能力をサポートする栄養素を用います。

カンジダ除去に関しては、抗真菌薬や場合によっては抗生剤を処方するドクターもいるかもしれません。サプリメントの中には医療機関でしか購入できないものも含まれますので、主治医の先生やカウンセラーにご相談下さい。

金子歯科医院 金子良司