お肌に生じるトラブルの中で、最も多くの人を困らせているものが「顔にできるニキビ」ではないでしょうか。これまで、ニキビは、肌に余分な脂が分泌される10代前半の人に多く見られるものだと思われてきました。

ところが最近では、成人になってからもニキビができてしまう人が多くいます。大人にニキビができてしまう背景には、過剰な洗顔やスキンケア、食事、タバコ、ストレスなどがあります。

ニキビは顔以外に、首や胸、背中、こめかみ、髪の毛の生え際などにも生じます。しかし、ニキビができる場所で圧倒的に多いのが、おでこや鼻、頬、口のまわりといった顔のパーツです。

顔にできたニキビは、胸や背中にできたニキビとは違って、洋服などで隠すことができません。ニキビが鼻や口の近くにきるとどうしても目立ってしまうため、自分のことを恥ずかしく感じたり、不快な気分になったりすることがあります。

顔のニキビは女性のみならず、接客業や営業など、人と常に関わる仕事をしている男性にとっても大きな悩みのタネになります。

ここでは、顔にできてしまう「大人ニキビ」に焦点を当て、ニキビができる原因やできてしまったニキビを治す方法について見ていくことにします。

4週間ごとに生まれ変わる皮膚の細胞

ニキビについて知る前に、まず私たちの皮膚についての基礎知識を持っておきましょう。

私たちの皮膚は大きく分けて、表皮(ひょうひ)と真皮(しんぴ)、皮下組織(ひかそしき)の3つの層で構成されています。さらに、一番上の階層にある表皮は角質層(かくしつそう)、顆粒層(かりゅうそう)、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層(きていそう)から成っています。

私たちの皮膚では、一番下の基底層で新しい細胞が作られています。基底層で作られた皮膚の細胞は、基底層から順に上の階層へ向かって皮膚の表面に押し上げられます。

角質層まで達した皮膚の細胞はやがて古くなり、最後はアカとなってはがれます。これを皮膚のターンオーバー(角化:かくか)と呼びます。このようにして皮膚細胞は日々の新陳代謝で入れ替わっており、この周期は約28日(4週間)です。

しかし、ターンオーバーの周期が乱れると肌が新しい細胞へと入れ替わることができません。すると、肌がダメージを受けても修復するのに時間がかかるため、シワやシミ、乾燥、ニキビなどの肌トラブルが生じます。

乾燥や外部刺激から肌を守るバリア機能

私たちの皮膚をおおっている表皮は、いつも紫外線や大気汚染、雑菌、ほこりなどにさらされています。こうした外部の刺激から肌を保護しているのが「肌のバリア機能」です。肌のバリア機能とは「表皮の角質層がたっぷりと水分を保つことで、乾燥や外部の刺激から肌を守る仕組み」をいいます。

肌のバリア機能を維持するには、肌の角質層が十分な水分を保っている必要があります。角質層の水分が少なくなると肌のバリア機能が低下し、皮膚の表面が乾燥します。

肌のバリア機能が弱くなって外界からウイルスや細菌などが侵入しやすくなります。すると、体はウイルスや細菌を「異物」として認識して体の外へ排除しようとします。その結果、免疫反応が生じ、吹き出物や湿疹(しっしん)、じんましん、アトピーなどが生じます。

また、バリア機能の低下によって肌が乾燥すると、外部からの刺激にとても敏感になってしまいます。すると、敏感肌用の化粧品を使っていてもかぶれてしまったり、太陽に当たると赤くただれてしまったり、ちょっとしたほこりや花粉に接触しただけで肌がかゆくなったりします。

加えて、バリア機能が低下した状態で紫外線に繰り返し当たると、水分が蒸散してさらに乾燥や炎症が進みます。その結果、くすみやシミ、シワなどの老化現象が生じます。

こうした理由から、バリア機能を維持して外部からの刺激をはね返すためには、肌の保湿を高めることが不可欠になります。

皮膚のバリア機能を支える3つの仕組み

肌の水分を維持し、バリア機能を高めるには3つの大きな要素が必要になります。皮脂膜(ひしまく)と天然保湿因子(てんねんほしついんし:NMF)、角質細胞間脂質(かくしつさいぼうかんししつ)です。この3つの要素がそれぞれの役割を果たすことで肌の水分量が上がり、皮膚のバリア機能が発揮されます。

名称 役割
皮脂膜 肌をおおい水分蒸発を防ぐことで保湿力を維持し、雑菌の侵入や繁殖を防ぐ。
天然保湿因子(NMF) 主成分はアミノ酸によって構成される。角質層の中で水分を維持し、ツヤのあるみずみずしい肌を作る
角質細胞間脂質(セラミド) セラミドやコレステロール、遊離脂肪酸などで構成される。角質の細胞と細胞のすき間を埋めて離れないようにし、水分の蒸発を防ぐ。

素肌で作り出される「皮脂膜」は天然の保湿成分

上記に記した3つの要素のなかで、特に大事な役割を担っているのが皮脂膜です。

皮脂膜は真皮に存在する皮脂腺(ひしせん)から出される皮脂と汗腺(かんせん)が、肌の表面でクリーム状に混ざることで作られます。この皮脂膜が皮膚全体をおおうことで肌の水分蒸発を防ぎ、うるおいのあるみずみずしい素肌を作り出します。

また、皮脂膜には紫外線を肌の奥まで浸透させない働きや気温の急激な変化に対して皮膚を保護する働きがあります。

皮脂膜は弱酸性の性質です。皮膚が弱酸性に保たれていることで、雑菌を退治したり、細菌、ウイルスが皮膚内へ侵入したりするのを防ぐことが可能になります。

皮膚を弱酸性に保っているのは、皮膚常在菌(ひふじょうざいきん)です。皮膚常在菌とは、誰の体にも存在する微生物です。

皮膚常在菌には、肌に良い働きをする善玉菌(ぜんだまきん)、肌のターンオーバーに異常が起こると悪さを働く日和見菌(ひよりみきん)、肌に悪い働きをする悪玉菌(あくだまきん)、の3種類があります。

それぞれの種類の代表的なものを下記の表に記します。

皮膚常在菌
善玉菌 日和見菌 悪玉菌
良い働きをする 状況によって問題を起す 悪い働きをする
表皮ブドウ球菌 アクネ菌 黄色ブドウ球菌

皮膚常在菌の善玉菌は、肌で分泌された汗や皮脂をエサにして、皮脂膜でグリセリンや脂肪酸を作り出します。グリセリンや脂肪酸は皮膚を弱酸性の状態にします。雑菌は酸に弱いため、弱酸性の皮脂膜に触れると増殖が抑えられ、死滅します。

また、皮脂膜が弱酸性の環境になると、肌にとって有益な善玉菌は増えて、悪玉菌は抑制されます。皮膚に善玉菌が増えることで皮脂膜を弱酸性の状態に維持できるため、丈夫な肌を保つことができます。

こうした多彩な機能を担う皮脂膜は「天然のクリーム」と呼ばれ、私たちが自分の体で作ることができる最高の美肌成分とされています。

美しい肌の土台を支える線維芽細胞(せんいがさいぼう)

正常なターンオーバーを行ったり、頑丈なバリア機能を築いたりすること以外に、皮膚の細胞では健康な肌を作り出すための様々な活動が行われています。そうした活動の中で、大きな役割を担っているのが真皮です。真皮は肌の構造全体を支える土台として機能しています。

真皮は「細かい網の目」の状態になっており、線維芽細胞(せんいがさいぼう)が点在しています。この線維芽細胞が、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった物質作り出します。

コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸は、皮膚のハリや弾力をキープし、肌に必要な水分を維持するため、ふっくらした肌を生み出すもとになります。

しかし、繊維芽細胞の機能が弱まり、網の目のように張り巡らされた細胞がゆるむと、シワ、くすみ、毛穴の開きなど、様々な肌トラブルが起きます。特にコラーゲンとエラスチンは、20代をピークに年齢を重ねると共に徐々に減っていくとされています。

肌のハリや弾力が失われたり、肌がたるんできたりすると、コラーゲンやヒアルロン酸入りの化粧品を使う人がいます。しかし、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸入りのローションや乳液などは、分子量が大きいものが多いため、一般的には角質層までしか浸透しないと言われています。

また、ドラッグストアやコンビニエンスストアなどでは、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸入りの美容ドリンクや補助食品が盛んに販売されています。しかし、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸はタンパク質の一種であるため、こうした食品を摂取すると体内で「アミノ酸」に分解されます。

そのため、美容ドリンクや補助食品からコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を摂取しても、体内でそのままの状態で利用される可能性は低いかもしれません。化粧品や食品からコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を補給する場合は、それらから期待できる効果はあくまでも個人の感想であることを覚えておいた方がいいでしょう。

もしコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を少しでも増やしたいと思ったら、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を自分の体が自然に作りだすように働きかける栄養素を摂る方法があります。ビタミンC、マグネシウム、亜鉛、タンパク質などは、体内でコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を作る際の材料になります。

こうした栄養素を摂ることで、真皮を支える細胞が増えることが期待できます。

ニキビができるメカニズム

ニキビは医学用語で尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)と呼ばれる皮膚の病気です。この病気は、必要以上に皮脂腺から皮脂が分泌されたり、古い角質が自然に落ちにくくなったりするために、毛穴に皮脂や角質の汚れが詰まってニキビが生じます。

小さいニキビであれば放置しておいてもすぐに治る見込みがありますが、ひどく炎症を起こしたニキビを放っておくと、毛穴の周りの細胞にダメージを与えることがあります。すると、ニキビの炎症が他の部分にも広がってしまいます。

こうした状況では、仮にニキビが治ったとしても炎症によって細胞が深く傷ついてしまいます。すると、傷跡の周辺にある正常な皮膚まで赤く盛り上がってしまうケロイドができたり、皮膚が陥没してクレーターのような跡が残ってしまったりすることがあります。

また、メラニンという皮膚や髪の毛に含まれる色素が過剰に生成されるため、色素沈着を起こしたりして、シミに似た跡ができることがあります。

ここでは、ニキビができる仕組みとニキビの種類について詳しくみていくことにしましょう。

毛穴に皮脂が詰まるとニキビができる

健康的な皮膚では、正常なターンオーバーが行われ、皮脂膜が病原菌の侵入を防いでいます。しかし、ターンオーバーの周期が乱れたり、皮脂腺から皮脂が過剰に出たりして「毛穴に皮脂がつまる」とニキビができてしまいます。

毛穴に皮脂やアカが詰まった状態をコメド(面皰:めんぽう)といいます。コメドは後ほど説明する白ニキビや黒ニキビの事を指します。つまり、コメドとは、赤く腫れあがった炎症やズキズキとした大人ニキビ特有の痛みが生じていない「軽度ニキビ」の状態をいいます。

しかし、白ニキビや黒ニキビであっても安心することはできません。白ニキビや黒ニキビができてしまった毛穴では、皮膚常在菌のアクネ菌が増殖しやすい環境を作り出します。

アクネ菌は通常は皮膚に悪さを働きませんが、空気のない環境で増殖する性質を持っています。そして、アクネ菌は炎症のもとになる成分を作り、ニキビを悪化させます。

ニキビの種類

ニキビができて炎症し、赤く腫れたり、化膿(かのう)したりするまでには複数の段階があります。一般的にニキビの発症は、下記の順番で発症することが多いです。
白ニキビ→黒ニキビ→赤ニキビ→黄色ニキビ→色素沈着→クレーター跡。

人によっては最初から赤ニキビができてしまったり、白ニキビと赤ニキビが同時に発生したりすることがあります。


ニキビのでき始め
古い角質が皮膚の表面からはがれなくなり、角質層が厚くなることで毛穴を防いでしまう状態。皮脂線から出た皮脂が外に出られなくなる。

白ニキビ
毛穴が閉じた状態で、肌の表面に白いポツポツとした膨らみができる。アクネ菌はまだ増殖しておらず、炎症は起きていない。ニキビは軽度の状態。

黒ニキビ
毛穴が開いた状態で、内部に詰まった皮脂と古い角質が交じりあった汚れが黒く酸化された状態。一般に黒コメド、ブラックコメドと呼ばれる。

赤ニキビ
毛穴の中に詰まった皮脂にアクネ菌が繁殖し、炎症を起こして傷みや腫れが生じ、ニキビの表面は赤くはっている状態。アクネ菌は毛穴の皮脂を分解して遊離脂肪酸(ゆうりんしぼうさん)という脂肪酸を作る。遊離脂肪酸は炎症を引き起こす。

また、白血球のひとつである好中球(こうちゅうきゅう)が増殖したアクネ菌を攻撃するさいに活性酸素(かっせいさんそ)を発生させ、炎症が拡大する。活性酸素とは病原菌などを殺してくれる強い酸化作用のある物質。しかし、大量に発生しすぎると正常な細胞まで酸化し、死滅させてしまう。

黄ニキビ
赤ニキビがさらに悪化し、黄色い液体の膿(うみ)が出る状態。膿は「アクネ菌の死骸」とアクネ菌を退治し終えた「好中球の死骸」が混ざりあったもの。

ニキビ跡
ニキビができた後にメラニンによる色素沈着が生じ、茶色や赤黒いシミができる。

クレーター跡
皮膚が真皮まで深く傷ついたため、真皮の細胞が修復された所と修復されなかった部分が凸凹(おうとつ)になってしまった状態。

大人ニキビができる原因と対策

ニキビができてしまう原因は人それぞれに異なります。思春期にできるニキビの場合は、成長ホルモンの影響で皮脂が過剰に分泌されることが主な原因とされています。その一方で、大人ニキビができてしまう背景には、食事や生活習慣、紫外線、タバコ、ストレス、体質など複雑な要素が関わっています。

大人のニキビを防ぐためには、なるべくストレスを減らし、十分な睡眠をとり、規則正しい生活を心がけることがアドバイスされます。

しかし、自分では気を付けているつもりでも、どうしてもニキビができてしまうことがあります。知らず知らずのうちに間違ったスキンケアや食事をしているために、返ってニキビをできやすくしていることがあります。また、ホルモンのバランスなど、場合によっては病院で適切な治療をしなくてはいけないこともあるでしょう。

ここでは、洗顔とホルモン、腸内環境の3点に焦点を絞って、大人ニキビができる原因と対策を考えてみたいと思います。

洗顔のしすぎでニキビができる

ニキビは毛穴に皮脂やアカ、化粧品、ホコリなどの汚れが詰まることで生じる病気であるため、多くの人が皮膚を清潔にすることでニキビを治そうとします。肌を洗浄することは、ニキビを治す上でも、衛生面でも大切なことです。

しかし、一日に何度も顔を洗ったり、洗浄力の強い洗顔剤を使用したり、毎晩ダブル洗顔をしてメイクを落としたりしていると、皮膚のうるおいを保つのに必要な皮脂が奪われてしまいます。

過剰な洗顔は肌のバリア機能を低下させ、乾燥を加速させてしまうのです。

過剰な洗顔によって皮脂が不足すると、それを補うために皮脂腺が活発に働き、よりたくさんの皮脂を作り出そうとします。すると、更に毛穴が皮脂で詰まるようになります。

また、洗顔をすることで皮脂が洗い流されてしまうと、皮膚常在菌の善玉菌も一緒に洗い落とされてしまいます。

むやみに洗顔をし過ぎたことによって皮脂が必要以上に分泌されている上に、皮膚の善玉菌が少なくなると、毛穴が詰まってアクネ菌が増殖しやすくなります。洗顔によってニキビが減るどころか、反対にニキビが増えてしまうのです。

このような「間違った洗顔」によってニキビができた場合には、日頃の洗顔方法を見直してみましょう。

一日に何度も洗顔し、強い洗顔剤やクレンジング剤を使うのをやめます。朝顔を洗うときは洗顔剤を使用せずに、水やぬるま湯だけにします。あるいは、水や洗顔剤を用いて顔を洗う代わりに、化粧水や乳液で肌を軽く拭き取る方法が効果を発揮する場合があります。

適度な水分と皮脂を維持し、皮膚の善玉菌を育てることで、健康的な肌を取り戻すことができます。

ホルモンバランスを整えることでニキビが改善する

成長期に差し掛かった10代の人は、性ホルモンの分泌が盛んになるために思春期特有のニキビができやすいとされています。性ホルモンには、男性ホルモンのテストステロンや女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)などがあります。

この中で、男性ホルモンが皮脂の分泌を促進するため、顔の皮膚がギトギトして脂っぽくなります。成長期の男子にニキビができやすいのはこうした理由からです。

思春期にできるニキビと同様に、成人になってからの大人ニキビにも男性ホルモンが関わっています。

寝不足や疲労の蓄積、人間関係の問題などによって精神的にストレスが多くなると男性ホルモンが優位になることが知られています。男性ホルモンが多くなると、こめかみやあご、口の周りなど「男性のヒゲが生えやすい位置」にニキビができてしまいます。

また、女性の場合、毎月の生理によって性ホルモンのバランスが大きく変動します。黄体ホルモンは男性ホルモンと似た働きをすることから、黄体ホルモンが多く分泌されると体温が上昇して、皮脂の分泌が増えます。そのため、排卵日の後で基礎体温が上昇する生理前ではニキビができやすくなります。

こうしたホルモンバランスの乱れによって生じるニキビを治すためには、日頃の生活パターンを見直すことで、ホルモンの分泌を調節する必要があります。そのためには、十分な休息と睡眠をとり、たんぱく質や野菜、果物が多い食事をとることが望ましいです。加工食品やファーストフード、お菓子ばかりを食べている生活もホルモンに影響を与えるため、なるべく控えるようにします。

性ホルモンのバランスを取り戻すには、「女性ホルモン剤(低用量ピル)」を服用する場合があります。しかし、ピルを服用すると副作用として頭痛、吐き気、胸のはり、大樹増加が生じる場合があります。ピルを服用する場合は、皮膚科などのクリニック通い、医師の指示のもとで服用するようにしましょう。

腸内環境と食品アレルギーを改善するとニキビが治る

大人ニキビが発生する原因に「食物」が大きく関わっている場合があります。一般的に、ナッツやチョコレートなどの油分が多い食品をたくさん摂取すると、ニキビができやすいと言われていますが、あらゆる食べ物がニキビの原因になっている可能性があります。

私たちの腸では、食べ物を消化・吸収することで、生命を維持するための栄養素を取り込んでいます。このとき、腸の壁ではウイルスや病原菌、完全に分解されていないタンパク質などの異物を排除する働きを同時に行っています。

しかし、腸内の環境が悪くなると、本来なら体の中に入り込めないはずの病原菌や未消化の食べ物を腸の壁で排除することができなくなります。すると、体そうした異物を排除しようとするため、免疫反応が起きます。

免疫反応として激しい炎症が起きたり、大量の活性酸素が放出されるため、ニキビや吹き出物、湿疹などの肌荒れが生じます。これが食品アレルギーです。

食品アレルギーを起こす食べ物として、牛乳やチーズなどの乳製品に含まれる「カゼイン」やパンやシリアルなどに含まれる小麦粉の「グルテン」というタンパク質が有名です。こうした食品を食べないようにすることで、大人ニキビができなくなった人が数多く存在します。

しかし、乳製品やグルテンに限らず、卵や肉類、果物など、日頃から好んで食べているものにもアレルギー反応を示し、食べるとニキビができてしまう人がいます。

こうした人では腸内環境が乱れているために、腸の細胞が破壊されたり、機能不全になったりするために、消化されていない状態の食べ物が腸に入り込んでいます。

腸内環境が乱れた大きな要因は善玉菌が減って。日和見菌や悪玉菌が増えたことです。腸内では皮膚の常在菌と同じように、善玉菌、日和見菌、悪玉菌が存在します。腸にとって良い働きをする善玉菌が不足すると、外部から侵入してきた異物や未消化のたんぱく質を排除することができなくなります。

また、絶えず異物が体内に入り込んでくるために、異物を排除しようとする免疫システムが必要以上に活発になります。すると、どんな食品に対してもアレルギー反応が生じ、その結果としてニキビができてしまいます。

こうした食品アレルギーに伴うニキビや吹き出物を防ぐには、腸内環境を善玉菌で満たすことで、元の腸機能を回復させることが必要です。

そこで、善玉菌を増やすためには、納豆や漬物、味噌、酒かす、海藻、果物、こんにゃく、豆類などを食べるようにしましょう。こうした食品には乳酸菌(にゅうさんきん)やビフィズス菌、食物繊維が含まれ、腸内で善玉菌を増やしてくれます。

また、普段の食事に加えて、善玉菌の成分が含まれたサプリメントを摂取することでも腸内環境を整えることができます。

腸内環境を整えることで、腸が食べ物をきちんと消化・吸収することができるようになれば、過剰なアレルギー反応に伴う炎症やニキビができなくなります。

今までは食べるとニキビや吹き出物ができてしまった物でも、お腹の状態が落ち着くと、それらの食品を食べても問題なく場合があります。腸内環境を整えると、食べるものの自由度や選択肢の幅を広げることにも繋がり、大人ニキビという問題からも解放されます。