ここ数年、ココナッツオイルなど「美容やダイエットに効果あるオイル」が注目されています。こうした食品は油でできています。ですから、もちろん脂肪・脂質が含まれています。

しかし、「美容やダイエットを目的としているのに、どうして脂質を摂取するの?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。

こうしたオイルには即座にエネルギーとなり、カロリーを燃焼してくれる成分があります。効率よくエネルギーを作り出せる体質に変えてくれるため、細胞の入れ替えや代謝の回転が活発になり、余分な脂質が付きにくくなります。

その結果、脂肪が燃焼しやすい体を得ることができるようになります。

私自身、数年前からココナッツオイルを継続して取り入れ、その効果を実感しています。ここでは「良質なオイル」の摂取によるダイエット効果について詳しくお話しします。

中鎖脂肪酸で痩せやすい体質に

ココナッツオイルが健康や美容に良いと話題になったことから、こうした油を積極的に摂取している女性が増えています。

ココナッツオイルは、中鎖脂肪酸(ちゅうさしぼうさん)と呼ばれる種類に属します。中鎖脂肪酸は腸ですばやく消化・吸収され、エネルギーとして使われる特徴をもっているため、ダイエットに効果的だといわれています。

ここでは、中鎖脂肪酸が体内でどのように利用されることで、痩せやすい体質へと導いてくれるのか詳しく見ていくことにしましょう。

脂肪酸の種類

脂質は、主に脂肪酸(しぼうさん)とグリセロールという物質で構成されています。このうち脂肪酸は、さらにミクロの分子で構成されており「炭素」、「酸素」、「水素」が結合することで成り立っています。

脂肪酸(しぼうさん)を構成する炭素分子の数が14個以上のものを長鎖脂肪酸(ちょうさしぼうさん)、炭素分子の数が8〜12個のものを中鎖脂肪酸(ちゅうさしぼうさん)、6個以下のものを短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)といいます。

長鎖脂肪酸にはオレイン酸やリノレン酸、リノール酸といった種類があります。食品としては大豆油やコーン油、なたね油、オリーブオイルなどに含まれています。

中鎖脂肪酸には、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ウラリン酸といった種類があります。食品としては、ココナッツオイルやパームオイル、ヤシ油、母乳、牛乳などに含まれています。

中鎖脂肪酸はエネルギーとしてするに燃焼される

長鎖脂肪酸は結合している鎖の数が多いため、腸で分解されてからエネルギーに変換するまでに時間がかかります。

長鎖脂肪酸は腸で吸収されたあと、体内に入ってからもう一度、中性脂肪(ちゅうせいしぼう)という物質に作り替えられます。作り替えられた中性脂肪は、コレステロールなどと一緒に血液に溶け込み、全身へと送られます。

こうすることで、肝臓や筋肉、脂肪組織に脂質が蓄積され、私がエネルギーを必要とする際に、すぐに取り出して使えるように準備しています。

長鎖脂肪酸は一旦分解して消化された後、違う物質へと変化することでエネルギー源になるというステップを踏みます。そのため、長鎖脂肪酸は消化・吸収に一定の時間を要します。

一方で、ココナッツオイルやパームオイルなどの中鎖脂肪酸は、結合している炭素の数が少ないため、そのまま小腸で吸収されて肝臓へと送られます。中鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸に比べて4倍以上の速さで消化吸収され、エネルギーとして利用することができるとされています。

つまり、中鎖脂肪酸を摂取することで体の燃焼スピードが速くなり、痩せやすい体質になることが期待できるのです。

中鎖脂肪酸は糖質制限による効果を強化する

ダイエットに対する中鎖脂肪酸の効果をさらに詳しく見ていきましょう。

白米やパンなどの炭水化物は、私たちを太りやすくし、ダイエットを妨げてしまう食品であることは有名です。

炭水化物を摂取すると血糖値が急激に上昇するため、私の体ではインスリンという「血糖値を下げるホルモン」が大量に出され、血糖値を下げるように働きます。

インスリンは、私の体に脂肪を溜め込む働きも行っています。そこで、血糖値を上げない食品を摂取し、インスリンを出さないようにすることで体重を減らすダイエット手法が広く紹介されています。

最近では、「食事から炭水化物を抜くダイエット」を行っている人が多いです。そして、中鎖脂肪酸は炭水化物を食べないようにするダイエットの効果を高める成分が含まれているため、中鎖脂肪酸を積極的に摂取している人は増えています。

ブドウ糖の代わりに脂肪を燃やしてエネルギーを生み出す

人間が生命活動を営むのに必要なエネルギーを作るには、糖分(ブドウ糖・グルコース)が最も多く利用されます。糖分は、主にパンや麺類、菓子、果物などの炭水化物に多く含まれています。

食品に含まれる糖分のことを、糖質(とうしつ)といいます。厳密にいうと、炭水化物から食物繊維を差し引いたものが糖質です。

糖質は体内の血糖値を急激に上昇させ、エネルギーとして利用できるようにするのが本来の役目です。しかし、運動不足になったり、活動する機会が少なくなったりすると、体が必要としている糖質の量に対して摂取する糖質の量が過剰になり、糖質は脂肪細胞として体内に蓄積してしまいます。

こうした糖質の過剰摂取が原因で、体重増加や肥満などを引き起こすリスクが高まることが、一般にも広く知られるようになりました。

「低炭水化物ダイエット」や「糖質制限」という言葉が流行したように、炭水化物や糖質を控えることで余分な脂肪が溜まるのを防ぎ、スリムな体を維持しようとしている人は大勢いるようです。

中鎖脂肪酸が大量のケトン体を作り出す

低炭水化物ダイエットや糖質制限の効果をさらに高めてくれる食品のひとつが、中鎖脂肪酸です。

中鎖脂肪酸は腸で消化・吸収されたあとに肝臓に送られ、そこでブドウ糖とケトン体を作ります。ケトン体とは、アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセトンという3つの物質の総称です。

低炭水化物ダイエットや糖質制限などで糖質の摂取量が減少し、体内のブドウ糖が少なくなったとき、肝臓や筋肉はケトン体を大量に合成するように働きます。

このとき、血液中のケトン体が増えて、標準的な濃度を超えている状態を「ケトーシス」と呼びます。ケトーシスとは、「飢餓で十分なブドウ糖を得ることが困難になっても、体に蓄えられた脂肪から生命活動に必要なエネルギーを獲得するためのシステム」をいいます。

長鎖脂肪酸と比べて、同量の中鎖脂肪酸を摂取したときのほうが、約10倍も多くのケトン体が作り出されることが知られています。ケトン体が大量に作られて体がケトーシスの状態になると、食欲が抑制され、空腹を感じにくくなるといわれています。

こうした体の仕組みをダイエットに応用したのが「糖質制限ダイエット」や「ケトン食ダイエット」です。糖質を制限し、ケトン体からエネルギーを作り出すように体を変化させることで、脂肪を燃焼して減量することが期待できるのです。

中鎖脂肪酸は便秘予防にも効果的

中鎖脂肪酸を摂取することで腸内環境が健全になり、便秘を解消することが期待できます。中鎖脂肪酸が私たちの腸を「酸性」にしてくれるため、体にとって有益な微生物を育てるための環境を整えてくれるのです。

ここでは、中鎖脂肪酸が腸内環境を整えるのにどのようなメリットがあるのかについて説明していきます。

腸内環境が悪いと便秘になり太りやすい体質に

私の腸内には、おびただしい数の腸内細菌(ちょうないさいきん)が生息しています。その数は、100兆個か1,000兆個にも及ぶとされています。

腸内細菌には、善玉菌(ぜんだまきん)、悪玉菌(あくだまきん)、日和見菌(ひよりみきん)の大きく分けて3種類があります。

善玉菌は腸内の機能を高めることで、規則正しい消化・吸収・排せつが行えるようにサポートしています。

反対に、悪玉菌は増えすぎると、私たちの健康を害するような振る舞いを始めます。悪玉菌が増えすぎると、腸の中で食べ物のカスが腐敗したり、有害物質を作りだしたりして、腸が正常に働くのを妨げてしまいます。その結果、消化不良や膨満感、便秘、下痢などが生じてしまいます。

特に、便秘はダイエットの天敵です。便秘になって毎日お通じが出ないと、不要になったものを体の外に排せつすることができなくなります。すると、体がエネルギーを作り出し、新しい細胞を生み出することができなくなり、代謝が悪くなってしまいます。

代謝が悪くなると、カロリーを燃焼することができなくなり、食事をしても摂取したカロリーをエネルギーに変えることができなくなってしまいます。便秘による代謝の低下で、体はますます痩せにくくなってしまうのです。

中鎖脂肪酸は善玉菌を増やして便秘を解消してくれる

腸内の善玉菌が減少して便秘になってしまったとき、腸内環境を改善してくれるのが中鎖脂肪酸です。

中鎖脂肪酸は、腸で消化・吸収される過程で脂肪酸に分解されます。中鎖脂肪酸から切り離された脂肪酸は、腸内を酸性にするため腸内の善玉菌が増えやすくなるといわれています。

そして、善玉菌が増えた腸では、ぜん動運動(ぜんどううんどう)が活発化します。ぜん動運動とは、大腸が前後に伸び縮みすることで、腸内にある食べ物のカスや老廃物を肛門へと押し出し、排せつする機能です。

ぜん動運動が活発化することで便意がもよおされ、毎日スッキリとした排便を行うことができるようになります。

このように、中鎖脂肪酸を摂取することで腸内に善玉菌が増えることで、健康的な腸を取り戻すことが可能になります。

腸の機能を改善する中鎖脂肪酸のさらなる効果

腸内の善玉菌を増やす以外にも、中鎖脂肪酸には便秘を治すための効果があります。

中鎖脂肪酸は油の性質を持っているため、「腸管の壁」を滑るように移動することで、腸に溜まった便を送り出してくれます。こうすることで、腸の中に溜まった食べ物のカスが、便としてスムーズに排せつされます。

また、中鎖脂肪酸を多量に摂取したとき、小腸で消化・吸収しきれずに余った中鎖脂肪酸は、そのまま大腸へと移動します。余分な中鎖脂肪酸が大腸へやってくると、体はこれを排せつしようとしてぜん動運動を強くさせることが知られています。

ぜん動運動が適切に機能し始めると、がんこな便秘症だった人でも楽に便秘を解消することができます。

このように、中鎖脂肪酸の様々な働きによって健康的な腸内環境を維持することができ、便秘を改善することが可能になります。

ただし、人によっては、中鎖脂肪酸の摂取によってぜん動運動が強くなりすぎたため、排便の回数が増えたり、下痢になってしまったりする場合があります。こうした場合は、中鎖脂肪酸を摂取する量を少なくしてみましょう。

ココナッツオイルを食べて便秘を解消し、ダイエットに成功

中鎖脂肪酸によるダイエットを行うため、私は中鎖脂肪酸を毎日の食事に摂り入れるようにしました。私が選んだ中鎖脂肪酸の油は、ココナッツオイルです。

それまで私は、夕食に炭水化物を抜く「糖質制限」を行っていました。そこにココナッツオイルを摂り入れてみたのです。

「糖質制限」によるダイエットを実施するのに加えて、ココナッツオイルを食べるようになったことで、減量中の空腹感やストレスを感じることなく、短期間で体重を落とすことに成功することができました。

ここでは、私が行ったココナッツオイルの摂取の仕方とその効果をお伝えします。

ココナッツオイルを食べて便秘を解消

私が糖質制限ダイエットをしたときは、夕食にご飯やパンなどの炭水化物を食べないようにしていました。その代わり、サラダを作ってたくさん野菜を摂取するように心がけていました。

サラダを食べるときはドレッシングを使う代わりに、「ハーブソルト」と「エキストラバージンココナッツオイル」をかけて食べるようにしました。

夕食を食べるときは、まずサラダから食べ始めます。ココナッツオイルに含まれた中鎖脂肪酸を摂取することで、脂肪酸が肝臓でケトン体とグルコースに分解されます。

このとき、夕食では炭水化物(糖質)を摂取していないため、中鎖脂肪酸から分解された脂肪酸を元にエネルギーを作るよう体の代謝システムが変化します。中鎖脂肪酸から短時間でエネルギー産生が始まるため、炭水化物を摂取していなくても満腹感を得ることができます。

ココナッツオイルをかけたサラダを食べたあとに、肉や魚、卵などの動物性タンパク質を食べるので満足感は十分あります。

また、サラダに使った野菜には、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は腸内細菌の善玉菌のエサとなります。腸内の善玉菌が増えるため、野菜は腸内環境の改善においても優れた食品です。

糖質制限によるダイエットでは、白米やパン、麺類などの炭水化物を控えるようにしなくてはいけません。糖質制限は「炭水化物を食べないようにする」という厳しい制約が課せられたダイエット法です。

そのため、どうしても炭水化物や甘い物が食べたくなってしまい、途中であきらめてしまったり、挫折してしまったりする人もいます。

しかし私の場合は、夕食だけ炭水化物を食べないようにしました。そして朝食と昼食を食べるときや友人との外食するときは、普段通りの食事をしました。

厳格な糖質制限ではなく、夕食だけ炭水化物を抜くという「緩やかな糖質制限」を行い、それに追加して、サラダにココナッツオイルをかけて食べるようにしました。

ココナッツオイルを日常的に摂取するようになってから数日が経過した頃、自分の体に劇的な変化が訪れました。これまでは2〜3日に1回、硬いお通じが出るのがやっとだったものが、1日に1回お通じが出るようになりました。しかも、水分を含んだ適度な硬さの便に変わったのです。

うんちの形状はバナナ状で、黄土色をしている理想的な状態です。トイレに入ってから息まなくてもストンと便が出るようになり、ココナッツオイルと食物繊維の高い効果を実感しました。

ココナッツオイルで間食の誘惑にも負けない

ダイエット中、最も辛いのはお菓子やケーキなどの間食を我慢しなくてはいけないことです。

ランチや夕食を食べる前に小腹が空いて仕方がないとき、私はココナッツオイル入りのコーヒーを飲むようにしました。

スプーン一杯のココナッツオイルをコーヒーに入れると、ほのかな甘みを味わうことができます。少しの甘味でも十分な満足感があるため、「コーヒーと一緒に甘いものが食べたい」とい気持ちを抑えることができました。

またダイエット中は、「バターコーヒー」というものにも挑戦してみました。「バターコーヒー」とは、コーヒーに無塩バターとココナッツオイルを入れてブレンダーで混ぜて作るものです。

「バターコーヒー」に含まれているバターとココナッツオイルの脂肪酸が分解され、体内で多量のケトン体が作り出されるため、これを飲めば脂肪を燃焼して効率よくエネルギーを生産することができます。

数日間「バターコーヒー」を朝食代わりに飲んでみましたが、ランチの時間まで強い空腹を覚えることなく、快適に過ごすことができました。

こうして、夕食だけ炭水化物を抜く食事を行い、ココナッツオイルをかけたサラダやコーヒーを摂取するように心がけたことで、私は1ヶ月で6kg体重を落とすことができました。

ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸によって腸内環境が改善され、便秘が解消することができました。便秘の解消とダイエットの成功でお腹もスッキリし、ウェストも10センチ以上細くなりました。

中鎖脂肪酸を摂取することで腸内環境を改善し、ダイエットに取り組みたいと考えている人がいたら、私が実践した方法を参考にしてみて下さい。

自分にあったレベルで糖質制限を行い、合わせて中鎖脂肪酸や食物繊維も一緒に摂取すると、強い空腹感もなく、ストレスフリーでダイエットを成功させることができます。

健康的なダイエットをしたい人は、試してみて下さいね。