年齢や性別を問わず、顔にニキビができて困っている人が大勢います。

私もそうしたうちの一人で、学生時代にとてもひどいニキビに悩まされており、長年皮膚科に通っていました。そのときに行われたニキビ治療は「病院で処方されたビタミン剤を飲むこと」と「肌に負担のかからない洗顔剤を使うこと」でした。

しかし残念ながら、私のニキビは対処療法では全く改善しませんでした。

当時、私は重度の便秘になっていました。便秘になると、体内の老廃物が排せつされないため、肌の毛穴から毒素が出ようとします。その結果、皮膚が炎症して、ニキビや吹き出物ができてしまうのです。

つまり、私のニキビの原因は、腸の機能が低下して便秘になり、体の不調が肌に出現したものだったのです。

そこで、私は食生活を見直すことで腸内環境を改善させようと奮闘しました。様々な手法を試した結果、悩みの種だったニキビを劇的に改善することができました。健康的な腸を取り戻さない状態で、病院で処方される薬を飲んだり、洗顔剤を変えたりしただけでは、ニキビを効果的に治すことはできなかったでしょう。

ここでは、私が実践した「腸を綺麗にすることでニキビを治し、美しいスベスベなお肌を維持する方法」について紹介していきます。

ニキビが発生する原因

10代から20代にかけてできるニキビは、思春期の代名詞とも呼べる存在です。若い世代にニキビができやすい理由として、皮膚の皮脂分泌(ひしぶんぴつ)が過剰だったり、第二次成長期にホルモンの分泌が急激に増えたりすることが挙げられます。

一方で、成人してからも頻繁にニキビができてしまう人がいます。成人してからできる「大人ニキビ」は、ストレスや睡眠不足、生理周期に伴って分泌される黄体ホルモン分泌(おうたいほるもん)、偏った食事などが原因で発生します。

また、肌に合わない化粧品や過剰な洗顔、紫外線を浴びすぎることでも、ニキビや吹き出物が生じてしまうことがあります。

「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」では、発生の原因は異なります。しかし、いずれの場合でも「皮脂が毛穴をふさいでしまう」ことで皮膚が炎症してニキビが生じます。そして、正常なサイクルで細胞が入れ変わることができないと、ニキビはさらに悪化してしまいます。

ニキビができるメカニズム

毛穴の皮脂が詰まってできるニキビは、下記の順序で発生します。

① 正常時
皮脂は溜まることなく、毛穴を通して皮膚の表面から排せつされています。

② 角質肥厚時期(かくしつひあつじき)
体調不良などのイベントがきっかけで、角質が厚くなってきます。皮膚の出口が小さくなってくるとコメドができ始めます。

③ 閉鎖面皰時期(へいさめんぽうじき)
皮脂が出口をふさいだ状態です。毛穴の炎症のはじまりです。これが、いわゆる白ニキビと言われているものです。主にあごに出来るタイプです。手で触ったときにしこりができている場合、化膿(かのう)している状態です。

④ 解放面皰時期(かいほうめんぽうじき)
毛穴に詰まった皮脂が酸化し始めます。毛穴の出口が開いたものの、毛穴のつまりが解消されない状態になります。これが、黒ニキビの正体です。

⑤ 炎症進行時期(えんしょうしんこうじき)
皮脂を栄養源とし、アクネ菌が活発に活動します。そして炎症が起こり、細菌が繁殖し始めます。これが、赤ニキビになります。

⑥ 炎症ピーク時期
炎症がさらに進み、皮脂が毛穴の周りにも溜まってきている状態です。毛穴に触れると痛みが出てきます。

⑦ 排膿期(はいのうき)
毛穴で作られた膿は、毛穴から排せつされていきます。膿が深くて出ない場合は、毛穴内でゆっくり吸収されていきます。

⑧ 瘢痕期(はんこんき)
炎症は膿が排せつされることにより治まりますが、炎症による傷やにきび跡が残る場合があります。

便秘になるとニキビができやすくなる

ニキビができてしまう主な原因は、「毛穴に皮脂が詰まって炎症してしまう」ことは先に述べたとおりです。

そのため、ニキビを治すときには毛穴の汚れを取ったり、皮脂の分泌量を抑えたりする、化粧品や洗顔剤ばかりに意識が向きがちです。しかし、ニキビができてしまう背景には、腸内環境の悪化が深く関わっています。

腸では、私たちが食べた物を消化・吸収し、残りカスを便として排せつする働きを行っています。必要なものを摂り入れて、不要なものを排せつするサイクルが滞りなく回ることで、健康的な体を維持することができます。

ところが、便秘になると体にとって不要な物質が、いつまでも体内に残ったままになります。すると、食べ物の残りカス以外に、病原菌や毒素などの「体に悪影響を及ぼす物質」も滞留した状態が続きます。

こうした状態になると、食べ物の残りカスが腐敗したり、有害物質からガスが発生したりして、体の健康を害する物質が全身を駆け巡ります。そして、行き場を失ったガスや毒素は皮膚の毛穴から出ようとします。

このとき、皮膚の表面で炎症などが生じ、ニキビや吹き出物ができてしまうとされています。

こうした理由から、腸内環境が悪いとニキビや吹き出物ができてしまいます。

便秘になるのは腸内細菌のバランスが崩れているから

ニキビが増えてしまう理由のひとつに、「腸内環境の悪化」が潜んでいると説明しました。では、実際に私たちの腸はどのようなことが原因で悪くなってしまうのでしょうか。

私たちの腸には、たくさんの腸内細菌(ちょうないさいきん)が生息しています。これらの細菌は特に「大腸」に集中しており、その数は100兆から1,000兆個にも及ぶとされています。

腸内細菌には、大まかに分けて3種類の菌が存在します。善玉菌(ぜんだまきん)、悪玉菌(あくだまきん)、日和見菌(ひよりみきん)です。

善玉菌には、私たちの腸の働きを高めてくれる機能があります。一方の悪玉菌は、増えすぎると私たちの健康に害を及ぼしてしまいます。日和見菌は普段は大人しいのですが、腸内に悪玉菌が増えすぎると悪玉菌の味方をして、様々な悪さを働くようになります。

腸内細菌は、悪玉菌、日和見菌が「2対1対7」で存在しているのが理想的です。

しかし、偏った食事をしていたり、ストレスが多く運動不足の生活を送っていたりすると、腸内環境のバランスはいとも簡単に崩れてしまいます。その結果、腸の機能が低下して、便秘や下痢、腹痛、膨満感(ぼうまんかん)など、様々な症状が起きてしまいます。

善玉菌が不足すると腸の機能が低下してしまう

善玉菌には、「整腸作用」があることが知られています。便秘や下痢などの「お腹のトラブル」を改善するために、「善玉菌を積極的に摂りましょう」ということを聞いたことがある人も多いと思います。

善玉菌の代表的な種類として、ビフィズス菌や乳酸菌があります。私たちの腸には限られたスペースしかないため、善玉菌が増えるとその分だけ悪玉菌が減ります。つまり、腸内環境の構成は、「善玉菌優位」になります。

ビフィズス菌や乳酸菌などの酸性の善玉菌が増えると、腸内環境は酸性に傾きます。酸性の環境になった腸では、腐敗した物質やアンモニアなどの毒素が減少することが知られています。

加えて、ビフィズス菌や乳酸菌からは、酢酸(さくさん)や乳酸(にゅうさん)などが作られます。酢酸や乳酸は腸を刺激して、ぜん動運動を活発にしてくれます。

ぜん動運動とは、腸を伸び縮みさせることで大腸の内容物を肛門まで押し運ぶ働きをいいます。ぜん動運動が行われることで排便が促され、便通が良くなります。

このように、善玉菌のお陰で「正常な排便」が繰り返され、毎日私たちの体から不要なものを出すことができるようになります。

しかし、善玉菌が減って悪玉菌が増えてしまうと便通が悪くなり、便秘が習慣化してしまいます。ひとたび便秘になると体内に老廃物がいつまでも残ってしまい、腸内で腐敗した物質から有毒な物質が放出されてしまうのです。

便秘の種類とうんちの状態

便秘には大まかに分けて3つの種類があります。

名称 状態
弛緩性便秘(しかんせいべんぴ) 大腸の動きが悪くなることで起こる。
痙攣性便秘(けいれんせいべんぴ) ストレスにより起こる。下痢と便秘の混合型で硬くころころした便が多い。
直腸性便秘(ちょくちょうせいべんぴ) 肛門付近まで運ばれてきているが、うまく排せつできない状態。便が異常に硬く、下剤を内服すると下痢になってしまう。

私の場合は、弛緩性便秘でした。便秘のときは4日に1回しか便が出ず、排便があったとしても便の形状は安定していませんでした。

健康な便は「適度な水分がある、バナナ状態のスルリとした便」です。便の状態が良いと、排せつの際に、強くいきまなくてもスルッと出すことができます。健康的なうんちは、臭いもきつくありません。

しかし、私が便秘だった頃は、固くコロコロした便しか出すことができませんでした。水分が少なく、排便をした後でもお腹の中に便が残っているような「残便感(ざんべんかん)」がありました。

4日に1度しか便意をもよおさなかったため、便秘の間はお腹が張って苦しく、腸に便が溜まったままになっていたのでガスも便も悪臭がしました。お腹の調子が安定しないためストレスが多く、いつもイライラしてとても辛い日々を過ごしていました。

肉ばかりの食生活で食物繊維が不足していたことが便秘の原因

腸内環境が悪化して便秘になってしまったのは、「肉類中心の食生活」を送っていたことが原因でした。しかし、当時の私は腸内環境に対する知識が乏しかったため、「好き好んで食べていた食品が原因で便秘が生じ、それが発端となってニキビが発生している」ことを全く理解していませんでした。

個人差はありますが、肉類中心の食生活を送っていると、腸内の善玉菌が減って腸内環境のバランスが崩れやすくなるといわれています。

腸内で動物性タンパク質を消化・吸収する際に「アンモニア」という毒素が生成されてしまうため、腸内の悪玉菌が増加します。その結果、腸内の善玉菌が減って、ぜん動運動が低下するために便秘になりやすくなります。

また、以前の私は肉類ばかりを食べていて、野菜は積極的に摂取していませんでした。野菜不足の食生活になっていたため、食物繊維(しょくもつせんい)が絶対的に不足していました。

食物繊維とは、人間が消化することのできない栄養成分のことです。人間は食物繊維を栄養素として利用することはできませんが、善玉菌は食物繊維を自らのエサとして増殖することができます。また、食物繊維は体内で発生した有害物質を吸着し、体の外に排せつする役割も果たしてくれます。

食物繊維は、海藻や豆類の他に、キノコ、ゴボウ、セロリなどの野菜に多く含まれています。

肉を多く食べる人は腸内の善玉菌を増やすために、食物繊維を意識して摂る必要があります。しかし、以前の私は「肉ばかりを食べる」という偏った食生活をしており、食物繊維を含んだ野菜は滅多に食べませんでした。

その結果、腸内環境が悪玉菌でいっぱいになり、便秘というお腹のトラブルに加えて、ニキビというお肌のトラブルも抱えてしまっていたのです。

便秘を治して肌荒れを克服するためにやったこと

当時の私は、便秘とニキビを何としてでも治したいと思い、あれこれと色々な方法を試しました。

ニキビを改善するために洗顔剤や化粧品を変えてみたり、便秘を解消するために肉と一緒に少しずつ野菜を食べる量も増やしたりしました。

そうした工夫を重ねていくうちに徐々に腸内環境が改善され、規則正しい排便を行うことができるようになりました。それに伴って、ニキビの数も減っていき、今ではニキビができることは滅多になくなりました。

ここでは、長年私を苦しめていた便秘とニキビを治すために、私がどのような方法を実践したのかについて紹介したいと思います。

たっぷりの食物繊維と朝一杯のお水

これまでの自分の食生活を振り返ってみると、明らかに食物繊維の摂取が不足していました。そのため、1日1回は、ゴボウやニンジン、ダイコン、レンコンなどなどの根菜類の野菜を食べるようにしました。こうした野菜には、食物繊維がたっぷり含まれています。

こうした野菜をざく切りにして、ラップをかけてレンジで1~2分ほど加熱すると、程よく火が通ってすぐに食べられることができます。セロリやレタス、海藻などの食品と組み合わせれば、食物繊維が豊富な野菜サラダのできあがりです。

食生活を改善するにあたり、自分の大好物であるお肉を我慢することだけはしたくなかったので、お肉と同量の食物繊維を摂取するように心がけました。

根野菜をたくさん摂取するようになったことで、お肉を食べても便秘になりにくくなりました。お肉を減らすのではなく、野菜の摂取量を増やすことで、ストレスを溜めることなく食生活を改善することができました。

また、野菜から食物繊維を摂取すること以外に、便秘解消のためにもうひとつ行ったことがあります。

それは、「朝起きたときにコップ1杯の水を飲む」ことです。

朝は、胃が空っぽの状態になっています。空の状態になっている胃腸に水が入ると、胃腸が刺激されます。すると、腸内に溜まっている便が大腸から肛門付近まで移動するので便意をもよおします。

最初は、起床した際にコップ1杯の水を飲んでからトイレへ向かい、便座にしばらく座ったままにすることから始めました。

初めの頃は、水を飲んでからぜん動運動が生じるまで少し時間がかかりました。しかし、今では起床してすぐに水を飲めば、すぐに排便することができます。

「朝にトイレに行く」ということが習慣化されて、体がそのリズムを覚えたために毎朝の排便がスムーズに行われ、体がとても軽くなりました。

腸内環境の改善と同時にビタミン群を摂取

ニキビが悪化して手に負えなくなったとき、便秘改善と同時に実践したのが「ビタミン群の摂取」です。ビタミンB群やビタミンCには、皮膚の細胞を再生し、古くなった皮膚を入れ替えてくれる働きがあります。

そこで、私は野菜の他に、ビタミンBやビタミンCを含む、新鮮な果物などを食べるようにしました。レモンやグレープフルーツ、キウイなどです。レモンはそのまま食べると酸っぱいので、レモン水にしたり、サラダにかけて食べたりしました。

もっと簡易的にビタミン群を摂取したい場合は、市販のサプリメントやビタミン剤を飲むことでも、ニキビ予防に効果を発揮する場合があるでしょう。

ニキビ治療を行っている皮膚科を受診すると、希望に応じて「ビタミン剤」を処方してもらうこともできます。一般的なビタミン剤には、一般的にビタミンB2やビタミンB6、パントテン酸(B5)、ビタミンCなどが配合されています。病院で処方されるビタミン剤は、市販のビタミン剤に比べて吸収率が高いものが多いです。

しかし、個人的な体験に照らし合わせてみると、こうしたビタミン群は、処方されたものであれ、市販のものであれ、ニキビへの効果の表れ方には個人差があるような気がします。

また、ビタミン剤は飲んですぐに効くという「即効性が高い」ものばかりではないため、一定期間継続して飲む必要があります。

こうしたことを踏まえると、ニキビはできてから慌てて治療するのではなく、なるべくできないようにするのが最善だと思います。

腸内環境の改善にヨーグルトが抜群の効果を発揮

お腹の調子を整えるために試行錯誤を繰り返してしたある日、私の家族が「腸内改善にはヨーグルトがいい」と教えてくれました。家族がスーパーで様々な種類のヨーグルトを買ってきてくれたので、毎朝ヨーグルトを食べるようにしてみました。

最初は、「ヨーグルトだけで腸内環境が治るのかな?」と半信半疑でした。しかし、実際にヨーグルトを食べ続けていくうちに、段々とお腹の調子が整っていくのが感じられました。

ヨーグルトを継続して食べ続けたことで、これまで4日に1度しかなかった便通が、毎日起こるようになりました。

ヨーグルトを食べ始めた頃は、「アロエヨーグルト」などの食べやすいものか始めました。私の場合、同じものを食べ続けると飽きてしまうため、違う種類のヨーグルトも食べるように工夫しました。

様々な種類のヨーグルトを食べていく中で、最終的に、「プロバイオティクス」を含むヨーグルトが自分の体質に合っていることに気が付き、最終的にこれに落ち着きました。

プロバイオティクスとは、「腸内細菌を理想的なバランスに保ってくれる優良な微生物」のことです。プロバイオティクスの代表的なものに、先ほど述べた乳酸菌やビフィズス菌があります。

つまり、プロバイオティクス=善玉菌といえます。

プロバイオティクスが含まれたヨーグルトは「生きて腸に届く乳酸菌」といった、効能が謳われています。プロバイオティクスの種類として、LG21株やガセリ菌SP株、R-1乳酸菌、LGG乳酸菌など、様々な種類がパッケージに書かれています。実際に食べてみて、自分の腸内細菌と相性のよいものを選ぶのが良いでしょう。

相性が良いかどうかを判断するには、2週間ほど同じヨーグルトを食べ続けてみます。その間に、便通や消化機能などに明らかな改善が見られれば、ヨーグルトによる効果があったと考えられます。

便秘を解消してニキビが消えたらつるつるの素肌に

個人的な体験に基づく意見として、「ニキビを治すためには腸内環境を優先的にケアし、便秘を治すことが最優先事項」だと考えています。

これまで述べてきように、以前の私の食生活は、腸内環境を損ねるようなものばかりでした。腸内細菌のバランスが崩れており、善玉菌が少なかったことは明らかです。

腸内環境が悪くて便秘になり、そのために大量発生したニキビに悩まされてきました。無数のニキビやニキビ跡があったため、常に化粧で隠していました。

しかし、これ以上新しいニキビができないようにするためには、腸内の善玉菌を増やして、便秘を解消することが何よりも重要だと思います。

私の場合は、食物繊維を含む野菜の摂取や水分の補給、ヨーグルトの習慣化を行うことで、がんこな便秘を解消することができました。

今では、周囲の人から「肌が綺麗だね」と褒められるまでになりました。ニキビを治したり、隠したりするために、皮膚科に通ったり、高い化粧品を使ったりする必要はもうありません。

私と同じようにニキビで苦しんでいる人がいたら、「まずは便秘を治しましょう!」とアドバイスします。腸内環境を健全にして、健やかな体を作ることで、内側から美しさを保つことができるようになります。

私の個人的な体験談ではありますが、多くの方の参考になれば幸いです。