トレオニンの基本情報

名称 トレオニン
略号 Thr
化学構造 トレオニン:ヒドロキシエチル基を持つ極性無電荷側鎖アミノ酸
生理作用 ・新陳代謝や成長の促進を助ける・肝臓に中性脂肪が蓄積する脂肪肝を予防する
・コラーゲンを合成する材料となり、健やかな肌を維持する
・胃酸の分泌のバランスを調整し、胃炎を改善する
多く含まれる食品 カツオ、とり肉、レンズ豆、スキムミルク、ゼラチン
欠乏症状 成長不良、食欲不振、貧血、体重減少など

トレオニン関するポイント

トレオニンは、英語で「threonine」と表記するため、日本語に訳したときに「トレオニン」と「スレオニン」の2つの呼び名のいずれかで書かれます。

トレオニンの1日あたりの必要摂取量は約0.5gです。

動物性タンパク質に多く含まれています。植物性タンパク質には少なく、また、穀物に含まれているトレオニンは吸収・利用されにくい性質があります。そのため、肉を食べないベジタリアン(菜食主義)の人は、トレオニンが不足しがちです。

トレオニンには、脊髄痙縮(せきずいけいしゅく)の症状を和らげる薬効があると報告されています。痙縮とは、筋肉が過度に緊張して、手足が動きにくかったり、勝手に動いてしまったりする状態のことです。

人工のトレオニンをDL-トレオニンやL-体のL-トレオニンといいます。化学合成によるDL-トレオニンと発酵によるL-トレオニンがあります。こうした合成のトレオニンは、調味料や食品添加物、穀物類の栄養強化に使われます。

また、家畜の飼料用の穀物には、トレオニンなどの必須アミノ酸が不足しています。そのため、栄養価を補うためにこうしたアミノ酸が添加されることがあります。

トレオニンは過剰に摂取すると、胃腸障害や頭痛を引き起こす場合があります。

トレオニンの歴史

トレオニンは、1935年にアメリカのウィリアム・カミング・ローズらによって「20番目のアミノ酸」として発見されました。

19種類のアミノ酸を与えているのにも関わらず体重が減少した白ネズミに、カゼインや膠(にかわ:魚の皮・骨などを水で煮詰めてコラーゲンやゼラチンなどを抽出し濃縮し、冷却・凝固させたもの)などのタンパク質を加えると、体重の減少が見られなくなり、成長することが分かりました。

こうした経緯から、19種類のアミノ酸以外に、人体に必要なアミノ酸があるのではないかと仮説を立て、研究を推進したことがトレオニンの発見に繋がりました。

トレオニン(参考)