カルシウムの基本情報

名称 Calcium
化学記号 Ca
化学構造 クエン酸カルシウム。クエン酸カルシウムと反応させてカルシウム塩にしたもの。

生理作用 ・骨や歯を形成する
・血液を凝固して出血を止める
・体液や血液の恒常性(こうじょうせい)を維持する
・カルシウムイオン(Ca2+)は細胞内シグナル伝達を担うセカンドメッセンジャーとして、筋肉の収縮やや神経の刺激伝達を行う
多く含まれる食品 牛乳、チーズなどの乳製品、ししゃも、桜えび、しらす干しなどの小魚、厚揚げ、大根の葉、小松菜など
欠乏症状 慢性的に欠乏すると、骨がスカスカになり骨折や骨粗しょう症を起こす割合が高くなる。骨質も悪くなり、腰痛、肩こりの原因となる。精神面ではマグネシウムとのバランスが崩れるとイライラしたり、怒りっぽくなることが多くなる。カルシウム不足が続くと、血中にカルシウムが入り、動脈を固くして高血圧の原因となる。

カルシウムに関するポイント

体内の存在するミネラルで最も多い割合を占めるのはカルシウムで、体重の1.5%~2.0%程はカルシウムです。

カルシウムの99%は骨や歯の成分として使われ、貯蔵カルシウムと呼ばれます。残り1%は血液中や筋肉神経に存在し、機能カルシウムと呼ばれます。機能カルシウムは、筋肉の収縮、神経の興奮や緊張の緩和、イライラを鎮めることなどに使われます。

食べ物からカルシウムを摂ったときの吸収率は25%~50%で、吸収率はあまりよくありません。ビタミンDと一緒に摂ったり、炭水化物(ごはん、麺類など)と一緒に摂ると吸収率はアップします。

男性は、マグネシウムを1日 700mg摂取することで、大腸がんのリスクを下げることが確認させています。しかし、カルシウムを過剰摂取すると、泌尿器系結石のリスクが高まります。また、カルシウムの過剰摂取はマグネシウム、鉄、亜鉛など、他のミネラルの吸収を妨げます。

加えて、ビタミンDの摂り過ぎによるカルシウムの過剰吸収のリスクが高まると、高カルシウム血症になりやすくなります。

カルシウムの吸収

カルシウムは、クエン酸やリンゴ酸、ビタミンD、乳糖、アミノ酸、カゼインホスホペプチドによって吸収が促進されます。反対に、シュウ酸、フィチン酸、含硫アミノ酸、アルコール、食物繊維、カフェイン、食塩、リンの過剰摂取によって、カルシウムの吸収は阻害されたり、排せつが促進されます。

カルシウムとマグネシウムのバランス

現代日本人の約60%がカルシウム不足といわれています。そのため、カルシウムが含まれた食品やサプリメントのみを摂取することで、カルシウムを補おうとする人が多くいます。

しかし、カルシウムは単独で濃度を上げることよりも、ブラザーミネラルである「マグネシウム」との比率を見ることが重要とされます。医師や専門家の中には、カルシウムよりもマグネシウムの値を高く維持すべきと説く人がいます。(Ca<Mgが理想)

分子整合栄養医学やオーソモレキュラー医学による「毛髪ミネラル(メタル)検査」では、検査の結果、カルシウムが高値を示している場合でも「体内で不足している」可能性があると読み取る場合があります。(患者の症状や個体差によって、読み方は異なります。)

カルシウムパラドックス

体内のカルシウムが不足すると、生命を維持するために、私たちの骨や歯からカルシウムイオンが溶け出します。骨や歯からのカルシウムの放出を調節しているのは、副甲状腺(ふくこうじょうせん)ホルモンです。

副甲状腺ホルモンが何らかの原因によって常に分泌され続けると、骨や歯から必要以上にカルシウムが溶け出すようになります。そして、余分なカルシウムは血管や脳、軟骨などに入り込んで蓄積します。

血管にカルシウムが増えると、カルシウムは石灰化(せっかいか)して血管に付着します。その結果、血管が硬くなり、高血圧や動脈硬化が生じやすくなります。また、心筋梗塞や脳梗塞に発展する危険性が高まります。

脳内にカルシウムが蓄積すると、記憶障害や認知症、アルツハイマー病などのリスクが生じます。

軟骨にカルシウムが蓄積すると、軟骨に弾力性がなくなり、関節症などを招くとされています。

また、骨や歯から溶けだしたカルシウムは、血流に乗って全身の細胞に入り込みます。細胞の中にあるカルシウムは極めて少なく、その量は「カルシウムポンプ」と呼ばれるシステムで厳密にコントロールされています。

細胞内と細胞外のカルシウムの割合は1:10000です。

細胞膜にあるカルシウムポンプにはカルシウムチャネルと呼ばれる「カルシウム専用の出入り口」があります。カルシウムチャネルは常に開きっぱなしになっているのではなく、必要なときだけ開くことが許されています。

カルシウムチャネルを厳密に管理しているのは、マグネシウムや副甲状腺ホルモンです。しかし、副甲状腺ホルモンなどの影響により、カルシウムチャンネルが開いたままになると、細胞の外から細胞の中にカルシウムが大量に流れこんでしまいます。

その結果、体内はカルシウム不足に陥っているのに、細胞内はカルシウム過剰になってしまう「逆説(=パラドックス)が生じます。この状態を、カルシウムパラドックスといいます。

カルシウムパラドックスによって、細胞内のカルシウムが増えると様々な不調が生じます。最悪の場合、カルシウムの多量流入によって細胞は死んでしまいます。

細胞内がカルシウム過剰になることで生じる症状として下記があります。
筋肉のけいれん、てんかん、肉離れ、視力低下、骨粗しょう症、突然死、心筋梗塞、脳卒中、高血圧、関節リウマチ、多動症、自閉症など。 

カルシウムのサプリメント(参考)