がんになったら肉を食べなさい
溝口徹

 

 

 

 

 

 

 

癌治療に対する食事療法として、「肉を控える」というスタンスの書籍が多い中、タンパク質(肉・魚)をどんどん摂取しようと提唱しています。

栄養代謝や癌の特性を踏まえ、正しい栄養を摂る事によって、どのように我々の身体が癌に対抗できるかをコンパクトに分かりやすくまとめています。

  • 文庫本サイズで200ページ足らずなので、溝口医師が伝えたかった事は全て書ききれなかったであろうと推測されますが、要点がギュッと濃縮された読みやすい構成になっています。

    本書のポイントとまとめると、下記になります。

  • 癌細胞はブドウ糖をエネルギー源として増殖を繰り返す
  • 大量のブドウ糖が体内で消費されるため、患者は常に低血糖状態に陥ってしまう
  • 血糖値が低くなると、肝臓で糖新生が行われ、血中へブドウ糖を供給し続ける
  • 糖新生における材料は、糖原性アミノ酸
  • これは筋肉に多量に含まれるため、糖原性アミノ酸が消費される=筋肉をどんどん削り痩せていく
  • 結果として、体重が落ち、頬がこけ、手足が細くなってしまう

このような、癌がタンパク質を利用して大きくなる事を根拠に、「癌になったらタンパク質を控える」という指導がなされているのだそうです。

しかし、癌のタンパク質利用用は食事からの摂取量は全く関係がないと溝口先生は説きます。
むしろ、筋肉が癌に奪われてしまわないよう、十分量のタンパク質(プロテインやアミノ酸)を補給すべきと強調しています。

癌の発生から分裂速度、治療に必要な栄養素、NK細胞、ビタミンC点滴含めたトータル的な栄養アプローチ、現状の癌治療の問題点など、各項目をシンプルにまとめている当たりも非常にわかりやすいです。

この手の本で良くありがちな、
○○さえ食べれば癌が治る!
○○させ実践すれば大丈夫!

と無理矢理な断定はしておらず、癌の三大治療法(手術療法、化学療法、放射線療法)のメリットも客観的に捉えた上で
動物性タンパク質を摂取することの重要性を説いています。