今日はウォルシュ博士が「幼少期から早期介入すれば最も治療の結果が出やすい」と言っているADHD(注意欠陥・多動性障害)の症例について触れてみたいと思います。
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ADHDとは?

ADHDは注意欠陥・多動性障害と言います。
英語でAttention Deficit Hyperactivity Disorderと記載することから、略してADHDと記載されます。

ADHDには3つの特徴的な症状があります。
・不注意(集中力が続かない)
・多動性(静かにじっとしていることができない)
・衝動性(考えずに突発的に行動してしまう)

周囲との協調性がなく空気が読めないこともあるので、
学校生活や社会生活に大きな支障をきたすことがあります。

文部科学省によれば「7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全がある」とされ、比較的幼い頃から傾向が見られる発達障害です。

また、りたりこ発達ナビによれば、「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの症状について下記にように記載されています。

1.不注意
・忘れ物が多い
・何かやりかけでもそのままほったらかしにする
・集中しづらい、でも自分がやりたいことや興味のあることに対しては集中しすぎて切り替えができない
・片づけや整理整頓が苦手
・注意が長続きせず、気が散りやすい
・話を聞いていないように見える
・忘れっぽく、物をなくしやすい

2.多動性
・落ち着いてじっと座っていられない
・そわそわして体が動いてしまう
・過度なおしゃべり
・公共の場など、静かにすべき場所で静かにできない

3.衝動性
・順番が待てない
・気に障ることがあったら乱暴になってしまうことがある
・会話の流れを気にせず、思いついたらすぐに発言する
・他の人の邪魔をしたり、さえぎって自分がやったりする

ADHDの診断は非常に難しい

ADHDは診断がとても難しい病気で、周囲からは「病気ではなくちょっと変わった人」と思われたり、医療機関でも「性格の問題」と片づけられてしまうこともあるようです。

また、自閉症やアスペルガーなどの症状と重なる部分があります。

特に、アスペルガー症候群とADHDは同時に発症していることも多く、個人ごとの症状やその時の年齢によって出現する症状に強弱があるため、専門の医師ですらアスペルガー症候群かADHDかをはっきりと区別することは難しいとされます。

ADHDが発症してしまう原因は?

ADHDでは脳内の神経伝達物質であるアドレナリン(エピネフリン)やノルアドレナリン(ノルエピネフリン)、ドーパミン、セロトニンが不足していると考えられています。

但し、必ずしもこれらの物質の濃度が低いからといってADHDを発症するわけではなく、未だにはっきりとした原因はわかっていません。

脳内神経伝達物質(副腎ホルモン)

ドーパミン

ドーパミンは快感と陶酔感を与える神経伝達物質です。
好奇心や意欲が湧いて何かを成し遂げたときに満足感や達成感をもたらす報酬系の脳内物質と呼ばれています。

ノルアドレナリン

ノルアドレナリンは、ストレスを受けると放出されます。
「怒りのホルモン」と呼ばれ、神経を興奮させる働きがあります。

・神経を緊張・興奮させる
・集中力ややる気を高める
・向上心や積極性、学習意欲を掻き立てる
・長期記憶を高める
・痛みを感じなくする

アドレナリン

アドレナリンもまた、ストレスに反応して放出される物質です。
副腎から分泌される「闘争か逃走のホルモン」とも呼ばれ、外敵から身を守れるように心拍数や血圧を上げ、血糖値を上昇させます。

ウォルシュ博士によればアメリカ国内でもADHDは正しく診断されていないケースが多く、また、脳内の神経伝達物質の状態も個人差があるために見極めが難しいということでした。

高度なスキルが要求されるADHDの診断において、本当に「ADHD」である子供には下記のような傾向があるそうです。

・血清銅の異常な上昇
・遊離銅の高値 (Cu++)
・亜鉛の極端な不足
・メチル化障害、ピロール障害、吸収不全(人による)

また、ノルエピネフリンが上昇し、セロトニンとドーパミンが低下しているそうです。
(こうした神経伝達物質の値については、日本のADHD診断基準に当てはまらない場合もあるのかもしれません。)

8歳でリタリンを処方された男の子

セミナーの中で、ウォルシュ博士はADHDと診断され、8歳にして「リタリン」を処方されたという男の子の症例を紹介してくれました。
リタリンは向精神薬のひとつで、ADHDの他にうつ病やナルコレプシー(過眠症)に使用されるお薬です。

しかし、リタリンには強い副作用が報告されています。
高血圧、動悸、頭痛、食欲減退、嘔吐、喉の渇き、嘔吐、痙攣、錯乱、妄想など。
人によってはこの薬に依存するようになってしまったり、服用をやめると精神状態が不安定になり禁断症状が出る場合もあります。

加えて日本では、医師の不適切な処方や見境なく患者に使用させる事件が起きた事をきっかけにリタリンの処方規制が厳しくなり、現在ではナルコレプシーのみに処方が認められています。

さて、この8歳の男の子の父親は著名な科学者で、ウォルシュとの面識があったことから息子のADHDについてウォルシュ博士に助けを求めます。
父親はきっとその当時から向精神薬の効き目は限定的なものであり、副作用の方が強いということを認識していたのだと思います。

しかも、8歳という子供にそうした向精神薬を処方することを、父親として強く危険だと察知したのかもしれません。

父親から相談を受けたウォルシュは男の子のミネラルレベルを測定しました。

すると、このような結果が出ました。

・血清銅= 165 mcg/dl
・血漿亜鉛 = 64 mcg/dl

銅の値が異常に高く、亜鉛の値が低かったのです。

この検査結果を見たウォルシュは次のような処方を行います。

・亜鉛とビタミン6によって過剰な銅を排除
・メタロチオネインを増加
・クロム、ビタミンA、C、D、Eを追加

このようにして亜鉛と銅のバランスをゆっくりと調節していくことで
男の子のADHDの症状は2ヶ月で消失しました。

ADHDが完治したのち、この男の子は成績優秀な生徒に変身し、18歳で名門シカゴ大学に入学します。
シカゴ大学は全米トップ10に入る有名私立大で、オックスフォード大学や東大より偏差値が上と言われています。

そして大学を卒業後に大学院まで進み、父親と同じ「脳化学」を専攻する科学者にまでなったそうです。

このように、脳内の生化学的物質のアンバランスを整えるだけで子供が本来の能力を取り戻し、正常な日常を送れるようになったというのは非常に興味深いことです。

ウォルシュが何度も強調しているように、症状が出始めた幼い頃から治療介入をすれば、生化学的不均衡も改善される余地が大きくなるのでしょう。

ウォルシュ博士の施設では、ADHDの患者だけでも5,000名以上を診断してきているということですから、このような治療の成功例はウォルシュにとっては当たり前の事なのかもしれません。

ウォルシュの治療アプローチに照らしてみれば、ADHDの子供に対して血中や毛髪中のミネラルを測定することは、意義のある事だと言えるでしょう。

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