5月24日(日)にウィリアム・ウォルシュ博士が来日され
東京でエピジェネティクスセミナーを行います。

エピジェネティクスに関しては
過去に栄養療法.jpのブログやメルマガで解説してきました。

この学問の概念を端的に言い表すと

「遺伝子の塩基配列に物理的な変化を生じさずに、遺伝子の振る舞いを変化させる」

となります。



人はこの世に生まれた時に両親から決まった遺伝子を引き継ぎ
その遺伝子が書き込まれたDNAの配列は一生変わることがありません。



ですがDNA配列に特定の物質が結合すると、
遺伝子の働き方や強弱を調整することができます。



DNAがどう働くかをコントロールする結合物質として
アセチル基やメチル基がありましたね。

アセチル基は一般的に遺伝子の発現を促進させ、
メチル基は一般的に遺伝子の発現を抑制します。



ここで言う「遺伝子の発現」とは
タンパク質を合成するプロセスの事だと思って下さい。



「臨床分子栄養医学研究会」では
エピジェネティクスの中でも特に重要な役割を持つ「メチレーション(メチル化)」に、主眼を置いて臨書応用への方法を学んできました。



メチレーション回路は、遺伝子発現を抑制する「メチル基」を作りだす代謝機構です。



つう病や統合失調症、自閉症、ADHDの患者の中には
メチレーション回路に異常を示す人が多いというエビデンスが示されたことから、アメリカでは数十年前より研究が勧められ、臨床の実績も重ねられてきました。



メチレーション回路に異常があった場合
この代謝機構を正常化させるために使われる栄養素が
メチル葉酸やSMAe、ビタミンB12、メチルコバラミン、グルタチオンなどの物質です。



こうした栄養素の中には、取り扱いが極めて難しいものがあります。



ビタミンCやグルタチオン、亜鉛のような栄養素は
通常は誰が摂取しても安全で副作用が出にくいとされています。



その一方で、メチルフォレートやSAMe、メチルコバラミンといったものは、重篤な精神疾患を抱える患者に誤った処方がされてしまうと
症状が悪化してしまうケースがあると言われています。



事実、エピジェネティクスやメチレーションの治療を行う海外のドクターは、必ず医師の指導のもとでサプリメント補充を行うよう勧告しています。

患者が自身の判断で難易度の高いサプリを扱うにはリスクが伴います。
安易なセルフケアは避けた方がいいでしょう。




さて、こうしたエピジェネティクスの臨床応用に関して
日本で初めてセミナーを開催してくれたのがベン・リンチ博士でした。

2014年の11月に来日し、日本のドクター向けに初めてエピジェネティクスによる治療概念を紹介してくれたのです。



ベン・リンチ博士は膨大な論文に基づくエビデンスの蓄積に加え、
自社開発したサプリメントによる患者のケアや
臨床医とのコラボによるセミナーや講演会を行っています。



ベン・リンチ博士が運営するシーキング・ヘルスのサプリを用いて難治性の疾患にあたっている日本のドクターもいます。

リンチ博士のセミナーはメチレーション代謝に関する基礎研究の色合いが濃い内容でした。

画像の説明

日本で初めて開催するメチレーションセミナーでしたので
国内のドクターがしっかりと基礎作りをするのに最適なプログラムでした。



しかし、リンチ博士のセミナーから数年を経て、
日々の治療でメチレーションを実践されるドクターが増えてきたことから、より具体的な臨床技法に根差したノウハウが必要になってきました。



リンチ博士が伝授してくれた基礎概念では
どうしても臨床応用に限界が見えてきたからです。



明日から臨床の場で使える実践的な知識やテクニックを知りたいというのは、多くのドクターからも要望が寄せられていました。

そうしたドクターたちの希望に応えるべく
今回お呼びしたのがウィリアム・ウォルシュ博士です。



ウォルシュ博士は、オーソモレキュラー医学の先駆者のひとりでもある
カールファイファーの愛弟子です。

カールファイファーは、総合失調症患者に対するピロール尿症の治療で成果をあげた人物であり、かのエイブラハムホッファーとも共同研究を推進してきた偉大なる研究者です。



1999年には「精神疾患と栄養―うつ、不安、分裂病にうちかつ」という書籍も出版しています。

カールファイファーから長年にわたり手ほどきを受けたのが他でもないウォルシュ博士です。



科学者として量子力学や代謝学に従事され、
カールファイファーセンターの所長も務めました。

現在、センター長として統率するウォルシュリサーチインスティテュートでも、100名を超す臨床医の育成・教育に当たっています。



ウォルシュ博士の活躍ぶりは対外的なものに留まりません。



いち研究者、そして、いち治療家として
エピジェネティクスに関するあまたのエビデンスを収集・解析し、
他を寄せ付けないほどの症例数をこなしてきました。



その数はなんと2万件以上。

日本のドクターがようやくエピジェネティクスに乗り出そうとしている今日において、ウォルシュ博士は既に膨大な数の患者治療の実績があるのです。

まさに月とスッポン。

我々がすべきことは、ウォルシュ博士に教えを請う以外に他はありません。



1週間後のウォルシュ博士のセミナーを控え
200ページ以上もあるスライドの翻訳作業を行っています。



その内容はどれもが具体的且つ実効性の高いものばかりです。



抽象度の高い概念的なものではなく、全てが簡潔であり、実践的です。



何より印象的なのが、同じ症状を訴える患者でも
その遺伝子型‐バイオタイプによって栄養素や治療法を使い分けているということです。

メチレーションに異常があるというだけで

あまねく人に同じ栄養素を用いるということはしていません。



葉酸を用いるべき患者もいれば、使ってはいけない患者がいる。



反対に

SAMeを用いるべき患者もいれば、投与してはいけない患者がいる。



患者のバイオタイプに応じて栄養素を明確に使い分けているのです。

メチレーションに関わる酵素を作りだす遺伝子に多型があったからと言って、或は、メチレーションそのものに異常があるからと言って
あまねく人に葉酸、SMAe、メチオニン、亜鉛、セレンを処方するようなことは行っていないんでんすね。



この治療アプローチは目から鱗でした。



ウォルシュ博士が提唱するうつ病の5つのバイオタイプ
2,800名の患者のデータベースから確立されたものです。

【うつ病患者 5つのバイオタイプ】

1. 低メチル化型うつ
2. 銅過剰型うつ
3. ピロール型うつ
4. 有害金属型うつ
5. フォレート不足型うつ



バイオタイプが違うと、
同じ「うつ病」でも患者はそれぞれ全く異なる障害を呈するそうです。

また、各バイオタイプに特有の神経伝達物質のアンバランスと症状が生じます。

うつ病と同様、このバイオタイプは、統合失調症パーキンソン病、自閉症、ADHDの患者にも当てはまるそうです。



ウォルシュ博士は深刻な脳疾患を抱える若年者の患者に注力を置いて
治療に取り組まれています。



よって、セミナーではうつ病や統合失調症パーキンソン病、行動障害など、治療が難しい疾患を中心に講義をして頂く予定です。



分子整合栄養医学やオーソモレキュラー精神医学を実践されているドクターの中には
脳機能や精神活動に関わる疾患を専門的に診ている方も多いと思います。



治療アプローチの一環として、遺伝子の影響やエピジェネティクス、メチレーションを
加味した治療法を取り入れたい方にとっては必見です。



世界中を飛び回り、各国の臨床医の育成を推進しているウォルシュ博士は、極めて多忙な生活を送っています。



今回も日本側の強いリクエストをお願いしたため
強制的にスケジュールを調整して頂いた背景があります。



セミナーの前日に来日し、セミナーが終わったら、翌日にはすぐに帰国されます。

初来日だというのに、悠長に日本観光などしている時間は一切ないのです。



本来であれば、アメリカやオーストラリアで開催される
上級者向けのアドバンスプログラムでしか講義しない症例に関しても
今回は特別に解説して頂ける手はずを整えました。



ウォルシュ博士もご高齢でいらっしゃいますので
来年も同じセミナーを開催できるかどうかのお約束はできません。

今回が最初で最後の来日になってしまうかもしれません。



エピジェネティクスセミナーは同時通訳で
内容を余すところなくお伝えいたします。



貴重で意義の深い講演になることをお約束します。



先生のためにも、患者のためにも、
是非エピジェネティクスセミナーにいらして下さい。

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