安全なアマルガムを除去するために、まず行うべきは歯科医を受診することです。その際には、必ず歯科医院のホームページやパンフレットを確認し、「安全にアマルガムを除去できる医院」かどうかを確認してから予約・来院しましょう。

また、既に分子整合栄養医学のクリニックに通院している人で「口の中に金属の詰め物」がある場合、内科の主治医はそれがアマルガムかどうかを判断することはできません。歯に詰められている金属が歯科アマルガムであるかどうかを見極められるのは、然るべき設備を整えた歯科医のみです。

そこで、安全にアマルガムを除去してくれる歯科医院を紹介して貰えないか、今かかっている内科の主治医に相談してみましょう。このとき、内科医と歯科医があなたの治療情報を共有し、円滑な治療を行うためのサポートを行ってくれるかについても聞いてみましょう。

クリニックによっては、内科医と歯科医が相互紹介のシステムを取り、ひとりの患者の治療情報を共有して、全身と口腔内の両方から治療を試みているところがあります。

ここでは、安全な歯科アマルガム除去の流れと、医科と歯科が協業してひとりの患者を治療する「医科歯科連携(いかしかれんけい)」について見ていくことにします。

安全なアマルガムを除去を行っている歯科医院を見つける

あなたの口の中に入っている金属がアマルガムかどうかを確認する場合は、歯科医院を受診しましょう。このとき、可能ならば「安全に歯科アマルガムを除去することができる」歯科医院に来院した方が賢明です。

歯科アマルガムは、詰められている状態によっては、見た目からそれが水銀であると判断できる場合があります。実際、歯科アマルガムは経年劣化すると黒ずんできたり、歯茎に黒いシミ(アマルガム・タトゥー)がつくため、その特徴から判断することができます。

しかし、歯の側面に小さく金属が埋められている場合や歯の奥にアマルガムが詰められている場合、そして、アマルガムの上に被せ物(クラウン)がされている場合は、見極めが難しいことがあります。

その際には、水銀ガスメーターやレントゲン写真などを撮影することで、歯科アマルガムであるかどうかを検査しなくてはいけません。しかし、水銀ガスメーターは、一般的な歯科医院には設置されていないことがほとんどです。

また、アマルガムの上に被せ物がしてある場合、実際に取り外してみないと、奥歯に埋め込まれているものがアマルガムかどうかを確定することはできません。

したがって、確実に歯科アマルガムであるかどうかを断定するためには、「安全な歯科アマルガム除去」を提供している歯科医院にいくことが望ましいです。

一方で、歯の金属が大きくむき出しの状態であれば、一般的な歯科医院であっても、歯科アマルガムであるかどうかを確認してくれるでしょう。ある程度の経験がある歯科医師であれば、見た目から歯科アマルガムであるかどうかを判断することができます。

しかし、あなたの歯の中に入っている歯科アマルガムは1本だけとは限りません。特に、歯科アマルガムが歯の深部に埋め込まれている場合や上から被せ物がされている場合は、外側からはアマルガムの存在を確認することはできません。

患者の中には、何十年も前に行った歯の治療について覚えていない人がいます。自分がいつ、どの病院で、どんな詰め物をされたのか、忘れていしまっている人が大半です。そのため、自分の歯にはアマルガムは入っていないと思い込んでいたり、アマルガムではない他の金属だと勘違いしているケースがあります。

水銀ガスメーターなどの機材を用いて、正確に歯科アマルガムの存在を知りたい場合は、歯科アマルガムを安全に除去してくれる歯科医院を訪ねてみましょう。

歯科医院への紹介が可能か主治医に相談する

分子整合栄養医学を実践している内科にかかっている場合は、主治医を通じて、安全な歯科アマルガム除去を行ってくれる歯科医院を紹介して貰うことが可能か聞いてみましょう。クリニックによっては、複数の歯科医院と提携を結んでいるところがあります。

歯科アマルガムの治療の実績が多い歯科医院や自分の自宅から通いやすい歯科医院など、あなたの希望を伝えた上で、いくつか歯科医院を紹介してもらうようにしましょう。

もし、主治医を通じて歯科医院を紹介して貰うのは難しい場合には、実践医療機関に掲載されている歯科医院に問い合わせをしてみて下さい。

また、ここに掲載されている歯科医院以外でも、「安全なアマルガム除去」を提供しているクリニックがあります。インターネットなどで調べてみて下さい。

もしあなたの歯に歯科アマルガが入っていたら

歯科医院でお口の中を検査した結果、あなたの歯に詰められている金属が「歯科アマルガム」だと確定した場合、焦ってすぐに行動を起すことは控えましょう。まずは落ち着いて、今後の対処法について歯科医から詳しく話を聞くようにしましょう。

このとき、歯科医に確認すべきことは下記ような事項です。

  • アマルガムが何本入っているのか(どの歯に、どういう状態で詰められているのか)
  • 表面に埋められているのか、深部に埋められているのか
  • アマルガムを除去する費用、期間、治療の流れ
  • アマルガムを外した後に詰める素材の選択肢(コンポジットレジン、セラミックなど)
  • アマルガムの除去に含まれるサービス(高濃度ビタミンC点滴、グルタチオン、チオラ、活性炭、αリポ酸などのサプリメント、食事指導、アフターケアなど)
  • アマルガムを除去する際の防護・安全対策(患者と歯科医の両方)
  • 使用している機材・設備(水銀ガスメーター、空気清浄機、次亜塩素酸水など)
  • 主治医(内科医)との情報連携
  • オプションの検査(毛髪検査、尿検査、カンジダ抗体など)

アマルガム除去の価格とサービス内容

安全なアマルガム除去は、自費診療になります。除去費用は、歯科クリニックによって異なります。歯科アマルガムを除去する平均的なコストは、1本あたり15,000円から20,000円です。(歯科アマルガムを除去した後に詰める他の材料費や型代、治療代は含まれません。)

この価格は、単純に歯科アマルガムを除去するだけの場合もあれば、高濃度ビタミンC点滴やサプリメントなどの、付帯サービスが含まれた価格の場合もあります。詳細は確認クリニックに問い合わせをしましょう。

今後の治療計画について内科医と相談する

歯科医院で、歯科アマルガムの除去に関する説明を受けたのち、すぐに歯科アマルガムを除去するかどうかはあなた自身が決めて下さい。もし、歯科アマルガムを除去するのが心配な場合は、一度、内科の主治医に相談して下さい。

安全なアマルガムの除去は、極めて厳重な防御態勢の中で行われます。アマルガムを取り外す歳は、治療を受ける患者と治療を行う歯科医の双方に被害が及ばないよう、何重にも及ぶ保護対策がなされます。

しかし、アマルガムの除去作業中は、どうしてもアマルガムを削ったり、こすったりしなくてはいけません。その際に、水銀蒸気や水銀粒子が発生し、患者の体内に入ってしまうことがあります。歯の組織の管状構造からも水銀は入り込みます。

そのため、免疫力が落ちていたり、体力が低下している状態で歯科アマルガムの除去を行うと、人によっては体調が悪化する場合があります。微量の水銀が体内に入り込んできた際に、水銀をただちに排せつしたり、解毒する力が低下していたりするからです。

そのため、あなたの体調が「アマルガム除去に耐えられる状態」でなければ、様々なリスクが生じるかもしれません。こうしたことが不安であれば、一度主治医に相談しましょう。

現在のあなたが、安全な歯科アマルガムを除去する際に生じる、微量な水銀へのばく露に耐えられる肉体・精神を持っているかを確認するのが先決です。

歯科アマルガムの除去に際しては、あなたに十分な免疫力や抵抗力があり、肝臓や腎臓で有害金属の解毒ができる状態になっていることが前提です。

肝臓では、重金属の85%を解毒しているため、正常に機能していなくてはいけません。残りの15%は毛髪と皮膚の皮脂腺を介して解毒されます。

また、便や尿、汗などの排泄経路の確保も欠かせません。

便秘や下痢、消化不良など、腸内環境に問題がある場合は、体内から毒素を排せつすることができないため、アマルガムの除去は見送った方がいいかもしれません。鉄欠乏性の貧血やタンパク質不足、機能性低血糖による症状がある場合も注意が必要です。

十分な検討時間を設けずにすぐさま除去を実行するのではなく、まずは「歯科アマルガムを除去しても問題がない体質」にまで改善することが大切です。

安全なアマルガムの除去を検討する場合は、毛髪検査や尿検査などの検査結果や本来持っている解毒力、食生活、体調を総合的に踏まえて、主治医と歯科医師と相談しながら決めてください。

安全なアマルガム除去の流れ

  1. 患者の体調確認(食事や便の状況など)
  2. チオラやグルタチオンなど解毒機能を高めるサプリを飲む
  3. 水銀のばく露から患者を防御する-顔には大きな覆い(ドレープ)をかけ、全身を保護カバーで覆う
  4. アマルガムを取り除く歯にラバーダム(ゴム製のカバー)をかけ、ラバーダムに水銀を吸着させるクリームを塗る
  5. 除去中の呼吸法を練習する-歯科アマルガムを削り出したり、取り外したりする際に、10秒間息を止る
  6. アマルガムの除去は高濃度ビタミンC点滴を行う(15g程度)
  7. 治療を行う歯科医もフル装備の防護を行う(防護マスク、防護服、ゴム手袋などを着用する)
  8. アマルガムの除去後にサプリメントを飲む
  9. 水銀ガスメーターで治療室の水銀濃度を測定する

※各医療機関によって流れは異なります。

歯科アマルガムの除去の様子

患者を全身カバーで覆う

歯科医は防護服やマスク、手袋などで全身を覆って除去する

アマルガムが入っている箇所にラバーダムをかぶせ、水銀吸着クリームを塗る

水銀ガスメーターで水銀濃度を測定する

取り外した歯科アマルガム

使用した防護服やマスクは産業廃棄物として然るべき方法で処分する

※各医療機関によって対処方法は異なります。

アマルガムの除去中はビタミンC点滴をする場合が多い

安全な歯科アマルガムの除去を行う場合、治療の最中に患者に高濃度ビタミンC点滴(15g程度)を実施することがあります。アマルガムの除去中に体内に入り込んだ水銀によって発生させる活性酸素(かっせいさんそ)を除去するために、ビタミンCが大変有用です。

高濃度ビタミンC点滴は、歯科医院で歯周病の治療やインプラントを行った部分の炎症を抑える際に使用されることもあります。

また、歯科医院によってはビタミンC点滴に追加して、グルタチオン点滴などをオプションで付けてくれるところがあります。グルタチオンには抗酸化作用があり、体内で生じた毒素を無毒化したり、体の外に排せつするのを促す働きがあります。

安全な歯科アマルガム除去

歯科アマルガムによる水銀中毒や安全なアマルガム除去に関してはこちらを参照下さい。

医科と歯科の連携

内科医と歯科医が協力することで、ひとりの患者の治療を全面的に支援する体制をとっているクリニックがあります。医科歯科連携診療普及協会には、そうした考えに賛同している医科と歯科のドクターが所属しています。

ほとんどのドクターが分子整合栄養医学やオーソモレキュラー医学に対する知識を持ち合わせているため、栄養療法を実践している患者は色々なことを相談しやすいです。参考にしてみて下さい。

監修:歯科オノザワ 小野澤 彰