「分子整合栄養医学」や「オーソモレキュラー医学」で実施される詳細な血液では、
身体の中で働く「酵素機能」に重きをおいて
栄養素の過不足を診断することがすべてのスタートになる。

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血液は、酸素や栄養分を全組織へ供給したり、
各組織で不要となった老廃物や炭酸ガスを
腎臓や肺から排泄する役割をもって全身を循環している。

よって、組織に何らかの障害が発生した場合、障害部位からの情報は血液に反映されることになる。

血液検査には、ASTやALT、γ-GTP、ALP、ChE、LDHという項目があるが、
これらは全て酵素のことだ。



血液検査では、採取した血液に含まれる酵素の状態を見ているが、その酵素からは何が見えてくるのだろうか? Edit

本来、酵素はその生化学的な役割に応じたグループに区分され、
ルールに従った名称が付けられてる。

酵素を生化学的な性質や役割別に分類すると
酸化還元酵素や加水分解酵素、転移酵素、脱離酵素…といった系になる。


しかし、血液検査で見る酵素は
酵素そのものを厳密に分類する観点ではではなく、
血中濃度上昇の主因をおおまかに指し示す特性ごとに分けられている。


その分類を整理すると、下記のように分けられる。

1. 細胞内に存在して生化学的な役割を果たしているもの
2. 特定の誘導物質が細胞に入ることで新たに生合成が誘導されるもの
3. 組織から血中へ分泌されて、血中で生化学的な役割を果たしているもの
4. 外分泌性の酵素



1. 逸脱酵素(いつだつこうそ) Edit

細胞が壊れると血中に染み出してくる酵素。

逸脱酵素を検査することで、どの細胞が、どれだけ壊れているかが推定できる。

ウィキペディアによれば、
本来細胞内で働いている酵素が何らかの理由で血液中に流出したもの。
流出する理由としては、細胞自体の破壊、
もしくは細胞膜の透過性亢進などで、多くの場合は組織障害に由来している。

臨床上、逸脱酵素の血中濃度を測定することで
臓器がダメージを受けていないかを推測することが可能で、臨床検査の一環として頻繁に行われている。

また、一部の酵素は単に組織障害の指標となるだけでなく、
それ自体が全身に障害を与える危険性を持っている。

例:AST(GOT) 、ALT(GPT)、LDH、ALP、γ-GTP、CK(CPK)、アミラーゼ、リパーゼ)

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お酒を飲むとアルコールが細胞を破壊する。

アルコールは肝臓で処理されるので、
肝臓に特有な酵素が上昇していれば、肝臓組織障害を疑う。



2. 誘導酵素(ゆうどうこうそ) Edit

”誘導を比較的受けやすい酵素や、
誘導が主たる原因で実際に血中濃度が上昇している酵素。”

細胞に特定の誘導物質などを与えたとき、
これに応答して特定の酵素の合成が引き起こされる
(広い意味では酵素の量が増加する)現象をいう。

このような酵素を誘導酵素、または、適応酵素という。

例:ALP、γ-GTP

ウィキまとめより

誘導酵素のうち、γGTPの増加は飲酒による誘導で増加する誘導酵素のひとつだ。

お酒を飲む人は、γ-GTPという酵素がお酒を飲まない人に比べて高値を示すことが多いが、これには酵素誘導が寄与していると考えられている。

γ-GTPは肝臓内の胆管でつくられる酵素で、解毒に関与している。

アルコール性肝障害では高値になることが知られており、
胆汁の流れが悪くなっても高値になるので、
胆汁の流れる経路の異常を調べる指標にもなる。

お酒が原因で逸脱酵素と誘導酵素の両方が上昇するケースが多い。

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一方で、お酒を飲まない人でも、薬や大量のサプリを飲んでいて、
肝臓での解毒代謝に負担がかかっている人では、
これらの酵素の値が上昇することがある。



このように、血液検査では疾病の診断、治療経過の観察において
酵素を測定することが重要だと位置づけられている。

しかし、一般的な血液検査や健康診断では、
こうした酵素の値が過度に増加・減少していないかという点だけにフォーカスが置かれることが多く、明らかな異常や逸脱した値が検知されない限りは「健康」「問題なし」だと診断されてしまうケースもある。


血液検査の酵素の状態から、身体全身の状態を把握するというよりは、
アルコール性肝障害や肝がん、心筋梗塞など
各臓器において特定の病気にかかっていないかを
スクリーニングする目的として用いられていることが大半のようだ。


加えて、一般的な血液検査では、
酵素代謝におけるビタミンやミネラルの不足を推察する…
という観点からの診察・治療は勿論行われない。

現代の大学医学部では生化学検査から「栄養素の過不足を把握する」
という授業は行われていないため、
普通の医師がこうした知識を持ち合わせていることはまだまだ少ない。

血液検査で想定する酵素が基準値から大きく逸脱している場合、
疾患を鑑別する指標の一部として使われるというのが、一般的な病院での実状だ。

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