分子整合栄養医学やオーソモレキュラー医学では様々なバイオロジカル検査(生物学的検査)を実施します。

栄養療法で実施される検査」でも触れているように、栄養療法で行われる検査は特殊なものが大半を占め、一般的に馴染みのないものです。通常のクリニックに行っても、病院側がこうした検査を用意していないため、患者が検査を受けることはできません。

分子整合栄養医学やオーソモレキュラー医学で用いられる検査は基本的に自費診療となります。

病院によって採用している検査会社は異なる場合があり、同時に料金体系にもバラつきがあります。治療プロセスのどの段階でどういった検査を行うのかも、ドクターの治療方針や患者の症状によって変わります。

こうした分子整合栄養医学に特有な検査は、1回の値段が数万円と高額になる事が多いです。

たとえば、「詳細な血液検査」と「遅延型フードアレルギー検査」を一度に受けると、費用は4万円近くに及ぶ場合もあります。

病気を治すために必要不可欠な検査とはいえこうした高額な検査は患者にとって経済的な負担となります。

少しでも検査費用を浮かせ、そのお金を日々の生活や食事、サプリメント等に回したいと考えるのが患者としての心情でしょう。

そこで、この記事では、患者が自分で取り寄せられる検査をご紹介します。ネット通販で購入する事ができますので自宅で検査することが可能です。

栄養療法に限らず、定期的なセルフチェックとして活用できるタイプの検査もあるので参考にして下さい。

 

【検査の注意点】

ここで紹介する検査キットは、あくまでも市販のものです。

栄養療法のクリニックで正式に採用されている専門検査ではないため、検査項目や検査の精度、検査薬は異なります。

こうした検査を行った場合、栄養療法の病院によっては、治療を行う事を前提に「患者が自らが実施した検査結果」の持ち込みや解析を行ってくれる場合があります。

しかし「持ち込み検査の解読」を受け付けていないクリニックでは、その病院で取り扱っている生物学的検査を受けるよう医師から指示されるケースがあります。

仮に、「持ち込み検査の解析」に応じて貰えたとしても、自費診療の初診料やレポート作成料が発生する場合があります。

下記で紹介する検査を行う場合は、事前に医療機関に確認するなどし、自己責任で行うようにして下さい。

 

腸内環境(便・尿検査)

分子整合栄養医学やオーソモレキュラー医学では、食事やサプリメントによって不足している栄養素を補います。

十分な栄養を摂取することで細胞ひとつひとつの働きを強化し、自然治癒力を高め、病気改善や健康促進を図るのが基本的な考え方です。

しかし、せっかく摂取した栄養素も胃腸でしっかり消化・吸収することができなければ意味はありません。

腸内環境が悪いと、栄養が体内に吸収されないばかりか、栄養素が未分解の状態で体内に異物として入り込み、「リーキーガット症候群(=LGS・腸管壁浸漏症候群:ちょうかんへきしんろうしょうこうぐん)」を発症してしまうリスクが高まります。

さらに、腸内に悪玉菌が多いと腸内で免疫細胞を作り出すことができず、病原菌やウイルスから体を守ることができなくなってしまいます。

腸内には免疫細胞の70%が存在しているとされています。

「腸内環境の改善」は栄養療法の要とも言えるアプローチです。

自分でキットを取り寄せて自己検査したい人は試してみて下さい。

腸内環境を調べる検査キット

「Mykinso(マイキンソー)」自宅でできる腸内フローラ検査

 

尿でわかる腸内環境検査「腸活チェック」

 

有害金属検査(毛髪)

分子整合栄養医学やオーソモレキュラー医学では、体内に蓄積している有害金属が、身体の代謝システムを乱す原因の一つになっていると考える場合があります。

鉛やアルミニウム、水銀、銅、カドミウム、ヒ素といった有害物質が細胞の働きを損ない、栄養素の消化・吸収を邪魔したり、ホルモン合成を阻害したり、神経伝達物質の合成を妨げたりすると考えられています。

その際に利用するのが「有害金属の検査」です。

毛髪による検査は、血液や便よりも比較的やりやすい検査と言えます。

有害金属(メタル)検査の目的として、「体内から毒素を排泄する力がどれだけあるか」を推察する事が挙げられます。

よって、検査結果で特定の金属が高い値を示したとしても、「体内からの自然排泄能力が高い」と判断する場合もあります。

反対に、計測される数値が低い場合は「体内から金属を排泄する力が乏しい」と見なされるケースもあるようです。

「毛髪ミネラル検査」の結果については、解析してくれる医療機関に持ち込むか、自分で解析するためのスキルを養う事も検討できます。

などのオンライン講座を参考にして下さい。

有害金属の蓄積・排泄状況を調べるキット

毛髪ミネラル検査[26元素]

 

毛髪ミネラル検査プレミアム 分子栄養医学専門医のアドバイス付

 

遅延型フードアレルギー検査

原因不明の体調不良や不定愁訴の原因として「食品アレルギー」が存在したとする症例がいくつか報告されています。

特定の食品に対する過剰反応の結果として、疲労感や眠気、イライラ、モヤモヤ、怒り、精神の不安定に繋がるケースがあるようです。

また、腸内環境に関連する要素として、小麦や大麦、乳製品などの食品を身体が「異物」として認識した結果、不必要な抗体(こうたい)を作り出す事で、体調不良をきたしているとも指摘されています。

普段から口にしているものが体調不良や病気の原因かもしれないと探る事も、分子整合栄養医学による治療の特徴的な点です。

心当たりのある方は、一度検査するのが良いかもしれません。

 

遅延型フードアレルギーの検査キット

IgG食物過敏セミパネル(120項目)

 

IgG 96 スタンダード・フード・パネル[日本]

 

 

カンジダ感染(性病感染)

リーキーガット症候群を引き起こす原因のひとつとして、カンジダの異常増殖が考えられます。

カンジダ菌(カンジダ・アルビカンスなど)はどんな人の身体にも生息する常在菌(じょうざいきん)であり、適切な割合で存在する分には、何の悪さもしません。

しかし、偏った食事や抗生物質の乱用、免疫力の低下などによって腸内の悪玉菌(あくだまきん)が増えてしまうと、それに伴ってカンジダ菌は身体に悪い働きをするようになってしまいます。

カンジダ菌は日和見菌(ひよりみきん)と称されるように、腸内に善玉菌(ぜんだまきん)が多ければおとなしくしていますが、ひとたび悪玉菌が増えると、悪い菌に加担するようになります。

体内で増えすぎたカンジダ菌は、最終的に私たちの細胞膜を突き破り、全身の機能の低下させてしまいます。

特にそうしたトラブルは消化器官に多く見られます。

詳しくは「カンジダに関連する記事」をご覧下さい。

 

カンジダ感染・性病感染を検査するキット

性病検査キット STD-6(女性用)
6項目[クラミジア/淋病/トリコモナス/カンジダ/梅毒/HIV(エイズ)]

 

性病検査キット6項目 男性用6項目
[HIV・梅毒・クラミジア・淋菌・トリコモナス・カンジダ]

 

精子力

分子整合栄養医学やオーソモレキュラー医学は、不妊や流産に悩む患者が積極的に治療を取り入れているケースもあります。

詳しくは「分子整合栄養医学による不妊症治療」を参照下さい。

さて、不妊治療に向き合う場合、往々にしてその原因は女性側にあるという社会的通念が色濃く残っています。しかし、実際のところ、不妊の原因は男性側にある場合も多いようです。

特に、男性が栄養不足に陥っているために、タンパク質や亜鉛、鉄などの生殖に必要なミネラルが枯渇し、その結果として女性のパートナーを妊娠させることができないと考える専門家も存在します。

同時に、男性が重度の副腎疲労症候群(ふくじんひろうしょうこうぐん)になっていると、副腎でコルチゾールを作り出すことができなくなります。

コルチゾールが減少すると、ストレスに対抗する力が弱まります。

また、コルチゾールと同様に、男性ホルモンの合成能力が弱まるために、性欲が著しく低下する事も知られています。

 

精子の状態を調べる検査キット

テンガ メンズ ルーペ 【スマートフォン用 精子観察キット】

 

がん

栄養療法で一般的に実施される検査ではありませんが、自宅でできる癌検査も取り寄せることが可能です。

参考までにご紹介します。

 

がんの検査キット

デメカル血液検査キット 女性用ガン総合検査セルフチェック

 

デメカル血液検査キット 男性用ガン総合検査セルフチェック

 

胃/大腸がん検査キット( 便潜血定量検査 ピロリ菌検査キット)

 

体内の酸化状況

分子整合栄養医学やオーソモレキュラー医学で実施される高濃度ビタミンC点滴(IVC)や糖質制限、サプリメント処方は、「身体の酸化を防ぐ事」や「タンパク質の糖化を防ぐ事」を目的に実施される意味合いを持ち合わせています。

普段の食事に加え、ハーブ、サプリメント、点滴療法などを用いるのは、病気の治療だけに限らず、抗酸化作用やアンチエイジング作用を狙っているとも言えるのです。

現在の自分の身体がどのくらい酸化ストレスにさらされているかを推察する事は、治療方針や健康計画を練る上で役に立つでしょう。

酸化状況を調べる検査キット

カラダのサビつき検査「サビチェック」

 

 

簡易血糖測定器

分子整合栄養医学やオーソモレキュラー医学を実践している患者の中には、医師から「機能性低血糖症」と診断された人もいるかもしれません。

また「糖尿病」を悪化させないために、糖質制限を中心とした、オーソモレキュラー療法を実践中の人もいる事でしょう。

健康増進や病気改善の観点から、血糖値を適切な値で保ちたいと考える人たちは多いです。

昨今では、糖質制限食や急激な血糖上昇を抑えるサプリメントが数多く流通するようになりました。

その反面、特定の食品に対する血糖の上がり方には個人差や時間差があるため、その場の気分や具合だけで血糖値のコンディションを把握するのは難しい事もあるでしょう。

血糖値の加減を個人的な感覚に頼るのではなく、客観的な数値として把握しておきたい場合、簡易式の血糖測定器は便利なアイテムです。

 

簡易型血糖測定器

血糖測定器 ワンタッチウルトラビュー 3点セット

 

メディセーフフィット 血糖測定器 2点セット

 

遺伝子検査

分子整合栄養医学やオーソモレキュラー医学を実践している医師の中には、「遺伝子」に踏み込んだ治療を行っている人が存在します。

遺伝子にアプローチする一つの考え方として「エピジェネティクス」や「メチレーション(メチル化)」が取り入れられるケースがあります。

こうした治療の一環として、患者自身が検査キットを取り寄せ、自分で遺伝子の状態を調べる事ができます。

尚、栄養療法で採用される遺伝子検査は、一般的な遺伝子検査とは見る観点が異なります。

市販の遺伝子検査は「遺伝子別のダイエット法」や「アルコール耐性」、「特定の疾患への罹患率」に主眼を置いたものがほとんどです。

しかし、栄養療法で実施される遺伝子検査では、特定の遺伝子(遺伝子から作られる代謝酵素)の働きを調べます。

詳細は「自分でできる遺伝子検査」を参照して下さい。

 

葉酸回路に関わる遺伝子を調べる検査

MTHFR(メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素)の遺伝子である「C677T」の多型を調べることができます。

葉酸代謝遺伝子分キット(口腔粘膜用)

 

検査結果サンプル(例)

 

 

23andMe

23andMe遺伝子検査に関してはこちらをご覧下さい。