※下記に記す「葉酸」とは、所謂「人工物としての葉酸」を示しています。



◎胎児の神経管閉鎖障害を予防する効果
◎成長を促進する効果

○胎児の神経管閉鎖障害を予防する効果

葉酸は、妊娠を考えている女性や授乳中の女性にとって、特に重要な栄養素です。

妊娠すると、ごく初期の時点で胎児の神経管がつくられます。

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この神経管は、約28日で閉鎖し発達するにつれて脳や脊髄になる器官で、胎児のこの部分に障害があると奇形や下半身麻痺などが起こる、神経管閉鎖障害となります。

葉酸は細胞の新生に必要なビタミンで、妊娠してごく初期に十分に摂取することによって、神経管閉鎖障害のリスクを軽減することができます。

また、口唇・口蓋裂といった障害や、先天性の心疾患の予防にも、妊娠期の葉酸の摂取が役立ちます。

ただし、妊娠の時期を正確に予測するのは難しいため、妊娠を考えている女性は妊娠がわかってから葉酸を多く摂取するのではなく、妊娠の可能性がある段階で葉酸が多く含まれている食品を意識して摂取することが大切です。
赤ちゃんが生まれてからも、乳幼児の発育に大きな影響を及ぼすため、授乳中も葉酸を積極的に摂取する必要があります。


○成長を促進する効果

葉酸は、たんぱく質や核酸を合成するための約20種類の酵素が働くために必要な補酵素として、重要な役割を担っています。

核酸とはDNAやRNAの総称で、細胞の核の中で遺伝情報を持ち、その情報通りにたんぱく質など体をつくる指令を出しています。

DNAの合成が正常に行われることで、細胞はその情報を正確にコピーしながら分裂して増え、新陳代謝や成長を促すことができます。

葉酸は、特に細胞増殖が最も盛んに行われる胎児期や幼児期の、健全な発育のために重要な栄養素です。

成人にとっても、葉酸はたんぱく質の合成のために必要です。
腸管や口腔内、舌などの粘膜は細胞の生まれ変わりが早く、葉酸が不足すると炎症が起きるなどすぐに影響が出ます。
葉酸を摂取することによって、皮膚や粘膜を強く健康に保つことに役立ちます。

○日本での妊婦に対する葉酸の捉え方

葉酸は日本でも妊婦への積極的な摂取が推奨されています。(1日0.4mg(400μg)

厚生省からは、平成12年12月28日

神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進

として、葉酸摂取量を増加させるべきであるとの勧告がなされています。
http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1212/h1228-1_18.html


実際、日本で販売されている粉ミルクや妊婦向けの食品には
葉酸が添加されているものも多いようです。

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○アメリカでの実情

アメリカでは、1998年の1月から、パン、クラッカーといった穀物類に「葉酸添加」されることが法律で義務付けられ、2006年にはシリアルにも「葉酸添加」の対象となっています。
http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-1996-08-05/pdf/96-19803.pdf

英語ではこうした葉酸添加された食品のことを”Fortified foods”や”Food fortification”と言います。

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○人工物の「葉酸」が過剰摂取するとどうなるの?

葉酸を積極的に摂取することにより、神経管欠損や口蓋裂、そのほかの重篤な先天性の疾患を予防することができたとする考えが社会的に広く浸透している一方で、昨今では、人工物である葉酸の過剰摂取に警鐘を鳴らす専門家も出てきました。

遺伝子多型に伴う代謝能力の低下や生活環境や食生活などが原因で、「葉酸」を、使える形の「フォレート」にまで変換する能力が低いヒトが増え、葉酸強化食品の増加と相まって、自閉症や発達障害、がんや動脈硬化、不妊症など、あまねく病気の原因になっていると考えられるようになってきました。

代謝されなかった葉酸は有害物質として蓄積され、健全な生体活動を阻止する大きな障害となると言われています。

人工物である葉酸が体内で活性型の葉酸(メチルフォレート)にまで代謝されず、
“未代謝のまま残留した葉酸”が蓄積したことが、一見すると関連性のないような病気の共通の原因になっている可能性も示唆されています。


PubMed
MTHFR遺伝子多型と習慣性流産(不育症)について示すエビデンス(例)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22047507
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25859445

他にもFolic Acid, Folate, MTHFRなどで検索すると、文献は多数ヒットします。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=folic+acid+MTHFR