副腎の機能と役割


point036_06 ウズラの卵ほどの大きさだけど、重要な機能を果たす副腎副腎

副腎は、腎臓の上に位置する三角形のような2つの臓器
左右で形が異なり、右は三角錐、左は半月型をしている
大きさは個人差があるものの、
長さ2.5cm、幅2センチ、厚さ0.6cm、重さ5g

一般的に、男性の方が女性よりも副腎のサイズは大きい

形こそ小さくて目立たない存在だが、
ヒトの生命維持には極めて重要な役割を果たす臓器だ

 

 

point036_06 副腎は多種のホルモンを分泌する臓器

ホルモンとは…

ホルモンとは、内分泌器官と呼ばれる臓器で合成・分泌される生体維持に必須な生理活性物質のこと
血液を介して体内を循環し、特定の臓器で効果を発揮する
生体内の特定器官の働きを調節するための情報伝達物質でもある

外分泌腺が生産した物質を体外に放出するのに対し、
内分泌腺は、生産した物質を体内に放出する

  • ホルモンを分泌する細胞を「内分泌細胞」
  • その細胞が属する器官を「内分泌腺」
  • 特定のホルモン作用を受ける臓器を「標的器官」 と呼ぶ

     

point036_06 内分泌腺は大きく分けて2種類

1. 他の器官と独立し、内分泌機能のみ司る器官:
     → 脳下垂体、松果体、副甲状腺、副腎

2. 器官の一部として内分泌細胞が組み込まれている器官:
     → 膵臓ランゲルハンス島、卵巣・精巣の性ホルモン分泌細胞、消化管ホルモン分泌細胞、
          心臓や腎臓のホルモン分泌細胞

 

point036_06 副腎が分泌するホルモン

副腎には2つの構成要素があり、各々で異なるホルモンを分泌している
副腎3

副腎髄質:
アドレナリン(エピネフリン)、ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)
→ 闘争か逃走の緊急事態に反応

副腎皮質:
コレステロールから産生され、ステロイド骨格を有する物質
→ ステロイド(ホルモン)と総称される事が多い

副腎皮質ホルモンの種類

   

 

 

 

 

 

point036_06 際立って重要なコルチゾール

  • あらゆる衝撃やストレス、緊迫状態への対応
  • 炎症抑制
  • 血圧、脈拍管理
  • 血糖コントロール
  • タンパク質、脂質のエネルギー変換
  • 胃酸調整
  • 甲状腺ホルモンの活性化
  • 骨吸収 など

     

 

 point036_06 コルチゾールの分泌機序

視床下部(CRH) → 脳下垂体(ACTH) → 副腎皮質ホルモン(コルチゾール) → 免疫抑制

コルチゾールフィードバック

ヒトがストレスに直面すると、
その刺激は大脳辺縁系から視床下部に伝わり、
視床下部からCRH(コルチコロトピン放出ホルモン)が
分泌される

次に、視床下部からの命令に応答し
脳下垂体からACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が
分泌される

ACTHは、血流を巡って副腎皮質へ移動
ACTHが副腎細胞壁に付着する事で、
細胞が活性化され、細胞内でコレステロールを放出

副腎ホルモンの分泌過程において、
最初のホルモンであるプレグネノロンが製造され、
その後、束状帯でコルチゾールが分泌される

視床下部、海馬、下垂体にコルチゾール受容体があり、
コルチゾールの分泌量が増えるとCRHやACTHの合成量は減り、その結果、コルチゾール分泌が抑制される

この一連のシステムを、ネガティブフィードバック と言う

この過程で、コルチゾールは中枢系(認知、記憶、情動)にも影響を与える


短期的には、ストレスに対処する応急反応として有効だが

度重なるストレスに晒され、且つ、不規則な食生活が重なると、
副腎に過度な負担が掛かり、免疫力の低下や病気への抵抗力が弱まってしまう


コルチゾールの本来の役割である血糖調整や炎症抑制のコントロールが効かなくなり、

低血糖症に陥ったり、高血糖状態が続いたり、炎症が長引き、アレルギーやアトピー反応が強く出る

風邪が治りにくい、花粉症が重症化する、不眠が続く、慢性敵微熱が出るなど
生体の異常事態から抜け出せない状態になり、鬱や無気力感に苛まれる事もある


他にも、

コルチゾールの分泌が過剰になり、胸腺(免疫細胞を合成する臓器)が萎縮し免疫細胞(Tリンパ球)の合成が減少
その為、免疫力が低下し、感染症や皮膚炎に罹りやすくなる


コルチゾールは甲状腺ホルモンの分泌を低下させてしまい、
食欲低下・低体温を招き、体力が落ち病気への抵抗力も弱めてしまう

 

point036_06 コルチゾールがガストリンの分泌を促進

ガストリンは胃酸の分泌を促進するホルモンのため、
ストレス状態が続くと空腹時で胃酸が分泌され続け、胃を傷つけてしまう

胃酸が出過ぎると胸やけになり、腸内環境の悪化を生じる場合もある

加えて、持続的な疲労感が付きまとうため、
十分な睡眠を確保しても、休息を取ったつもりでいても、根本的な解決に至らない事が多い

 

point036_06 ホルモンを介した反応は自律神経を乱す

強いストレスにより交感神経が持続的な緊張状態に置かれると、
副腎髄質からカテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン)が分泌され、
血管収縮(血圧上昇)、心拍数増加、血小板の凝集能増加、胃粘膜の血流低下、
肝臓からブドウ糖分解してを血中に放出などして、反応を亢進させる

これらも、鬱やパニック、眩暈、キレルなど、機能性低血糖症に似た好ましくない作用ももたらす

 

point036_06 ストレスの伝達経路と副腎からのホルモン分泌

ストレスの伝達経路 

 

副腎皮質ホルモンのコルチゾール分泌状態を調べるには