癌を殺傷するメカニズム


ビタミンCが、素晴らしい抗酸化作用を持つ事に触れて来たが
高濃度ビタミンC点滴の大仕事とも言える、癌への有効性は如何なる仕組みの上に成り立つのだろうか?


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 先駆者達の仮説

ビタミンCの研究における権威である、
ユアン・キャメロン博士や日本の森重福美博士、村田晃博士らは、
ビタミンCの抗がん作用について下記のような仮説に至った。 

悪性腫瘍(ガン細胞)は、ヒアルロニダーゼは、という酵素を生成する

この酵素が細胞と細胞を結びつけるセメント質(コラーゲン・ヒアルロン酸)を攻撃
粘性物質を分解して組織を脆弱化させ、新生物が侵入しやすくなり、
増殖化するガン細胞の浸潤を助ける事になる

ビタミンCは、ヒアルロニダーゼ抑制物質を増やすことにより、セメント様物質の崩壊を防ぐと同時に、
細胞間質とコラーゲン線維の形成を盛んにしてガン細胞を被包化する

従って、細胞間セメント質(コラーゲン)を強固にする方法があれば、
身体の自然防御機構を増強して、悪性細胞の攻撃に対抗できるというという考えを説いた

 

point036_06 グルコース(ブドウ糖)とビタミンC(アスコルビン酸)の類似構造

癌細胞はグルコース(ブドウ糖)を栄養源として増殖する

癌細胞は、正常な細胞に比べて活動が活発なため、3~8倍のブドウ糖を取り込むという特徴がある 

その原理を応用したのが、PET検査
PET検査では、沢山ブドウ糖を取り込んでいる細胞を探し出し、癌を発見する

グルコースとアスコルビン酸は化学的構造は非常に良く似ている
癌細胞はグルコースが不足した状況下では、アスコルビン酸をより多く取り込む
特に、グルコースと酸化型アスコルビン酸(デヒドロアスコルビン酸)はより構造が類似している3つの化学構造

       Lグルコース              酸化型アスコルビン酸            アスコルビン酸      
       (ブドウ糖)              (デヒドロアスコルビン酸)  

 

 

point036_06 ビタミンCが癌細胞を殺傷する機序

高濃度なビタミンCが点滴により、静脈から血中に入る
血管に入った大量のビタミンCはフェントン反応により、過酸化水素(H₂O₂)を生じる

血管中に入ったビタミンCは、検知できる濃度の過酸化水素を生じず、
ビタミンCは、あくまでも癌細胞まで過酸化水素を運搬するプロドラックの役割のみを果たす

という考え方と同時に、

血管内で生じた過酸化水素は、カタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼなどの
抗酸化酵素によって完全に無害な形へと分解される

という見方が存在するようだ

血管から、組織液(外液)に移動したビタミンCからも過酸化水素が発生する
この時、癌細胞は栄養素(ブドウ糖)が来たと勘違いしをてビタミンCを取り込む

そこで発生した活性酸素が癌細胞に取り込まれると、
ガン細胞の多くはカタラーゼが欠乏しているため過酸化水素を中和できずにダメージを受けて破壊され、
DNAや解糖系を阻害して癌細胞は死に至る

正常細胞が活性酸素の影響を受けないのは、
血管と同様に、カタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼが働くからと推測されている

ビタミンCの作用機序や癌細胞の増殖メカニズムに関しては、
未だ未解明の事項が多いが、現状では上記に挙げたしくみが、

ビタミンCは正常細胞に影響を及ぼさずに、過酸化水素によって癌細胞だけを選択的に殺傷する
という事を示す根拠になっている

 

過酸化水素による癌細胞殺傷のメカニズム

  癌殺傷の機序

 

 

 

 癌細胞が障害を受ける流れ癌細胞死滅

 

Ascorbate in pharmacologic concentrations selectively generates ascorbate radical and hydrogen peroxide in extracellular fluid in vivo.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2007 May 22;104(21):8749-54. Epub 2007 May 14.
より一部抜粋、当サイトにて加工

 ⇒ ビタミンC点滴の実施